表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/18

残り一日で起こるあれこれ

14話が書き上がりました。

今回も短いのでごゆっくりどうぞー。


#ブックマークと共にptが増えていました!ありがとうございます!

14話 - 残り一日で起こるあれこれ


領主の館でのあれこれがあった日からすでに5日が過ぎた。

店舗や工房については一応お断りということでレイラさまに伝えたが、なら技術の引継ぎを。とのことなのでこの5日間はレイラさま選定の技師に技術の引継ぎを行っている。

市民証だけは受け取れと言われて受け取ったけど、正直店舗経営とかは自信ない。


引継ぎをしている技師達は曲がりなりにも街で技師として働いている人達だから基礎は問題なく、成形(フォーミング)調整(アジャスト)なんかは俺よりもスムーズにこなしている。

そして問題のレンズの加工だけど、精霊の力を使わないで実現できた。

切削(カッティング)と、研磨(ポリッシュ)という魔法を使う技師がいて、その人とあれこれ試しながらやっていたら精霊バージョンとまではいかなくても十分に及第点の物が出来上がった。


やり方としては水晶を切削(カッティング)で出来るだけ薄く切り出し、研磨(ポリッシュ)で表面を削っていく。

研磨(ポリッシュ)には研磨レベルがあり、レベルを上げることで目の細かい研磨が出来るらしい。

精霊に頼まないと作れないとかじゃなくてよかったよ、ほんとに。


使えない技師達にはレンズを切り出した残りの水晶に研磨(ポリッシュ)をかけて水晶飾りを作る練習をしてもらっている。

よくあるダイヤモンドカットのようにしてみたり、六角柱のものだったり、球状のものにしてみたり。

これはこれでアクセサリーとして売りに出せるレベルではあるね。


一ヶ月も練習すればレンズの研磨技術もいいモノになるだろうし。。。もうゴールしてもいいよね?


昼間っから宿の少し堅めのベッドに寝転がりながら、伸ばした手の先にあるチケットを眺める。


あ、レイラさまからメガネの代金としてもらったお金で宿を借りています。

さすがに工房にこれ以上何泊もするわけにはいかないしね。


「あと一日、っすか。」


あっという間だったなぁ。

もう明日の夜には向こうに帰ることになるだろう。

こっちで遣り残したことはひとつを除いてきっちりやってある。


透けるメガネ?

作りましたよ!追加機能つけてな!


混浴であるという湯屋の壁越しに見ようと思ったら壁の向こうにはガチムチ兄貴達しかいなかったりとか。

街を歩いている女性を見ようとしていたらまた警備していた騎士に連れ去られたりとか。

セレンやシェレスさんを見ようと思ったらそのメガネをよこせ。とか言われて没収されそうになったりとか。


結局見れてねぇけどな!!!


湯屋なんてガチムチ兄貴のポージング大会やってたよ。。。

そんなものを見てもなにが楽しいのだよ。


取調室まで連れて行かれたときは担当の騎士さんに「またおまえか」とか言われましたよ。。。

別に来たくて来てるんじゃないんですけどね・・・・。

いや、まじで。


セレンやシェレスさんを見ようとしたときは。。。

うん、まぁ察して欲しい。

メガネに魔力を通そうとした瞬間後頭部と鳩尾にいいのをもらったよ。。。


おまえら。。。

その拳。。。世界を狙えるぜ。。。ぐふっ。


危なく奪われそうになったけど魔法の鞄(マジックポーチ)に放り込んで事なきを得ました。危ない。

なお、追加機能としてはメガネを通して見ているものを届かなくても触れる機能。

これは苦労した。。。

空間属性とかいうのがあるというのを聞いてまず頭に浮かんだのよ。


それを実現させるのに二日もかかったんだぜ。嘘みたいだろ。。。?

これでちちしりふとももが触りまくれるぜ!とか思っていた日もありました。


結局そのメガネを出すとシェレスさんあたりに奪われてしまいそうなのでその機能ですら使わずにお蔵入りしてるけどな。


その他では、ノエルちゃんと同じような精霊が見えるメガネを作ろうと思ったんだけど、あの精霊め、「くすくす。い・や」とかで結局付与すらしてくれなかったしな。


なにを恥ずかしがってるんだか。

照れ屋さんなんだから。


後は至って普通のメガネだ。

近視矯正のほか、ノエルちゃんを追えるように目印(マーカー)を着けた相手をマップ表示する機能、回復(小)あたり。

素材が魔法銀(ミスリル)じゃないからそれしか付与できなかった。

普段使いのメガネなんてそんなもんでいいでしょ。


一番最初にシェレスさんが作ってくれたメガネは記念として魔法の鞄(マジックポーチ)の中に大事にとってある。


向こうに帰るときにこの魔法の鞄(マジックポーチ)持って帰れれば嬉しいんだけど無理だろうなぁ。

持って帰っても表立って使えそうにないけども!


部屋に散乱している漫画本とか小説とかをしまっておくくらいはできるか。

あ、でもそれできるとすげぇ助かるな。


----


気が付いたら寝てしまっていたらしい。

もうすでに夜になっているみたいだね。


一階の食堂に下りるとそこではいつものように冒険者達やいろいろな店の店主なんかが酒が入った木のジョッキを掲げ乾杯をしている。

それぞれが囲んでいるテーブルにはさまざまな料理が並んでいる。

主に肉だが。


「あら、レンズさん。起きてきたの?」


カウンターの中から声をかけてきた女性。この宿の女主人で30台前半のテリアさん。

濃い青髪でロングポニーテール。スタイルはちょっとムチっとしているけど出るところは出てへこむところはそこそこへこんでいるという体型の持ち主。

一晩お相手願いたい。


「金貨10枚ね」

「!?」

「いえ、なんとなく値踏みをされている気がしたので。夕飯はすぐ食べられるけどどうする?」

「あ、じゃあ日替わりお願いするっす」

「あいよー」


怖いわー。女性まじ怖いわー。


空いてるテーブルに座ってご飯が来るのを待っていると周りで飲んでいた数人が俺と同じテーブルについた。酒を持参して。


「おう、おまえさんがレンズか?」


目の前に座った見た目はいかにも「親方!」って感じのちょっといかつめの男性が聞いてくる。


「は、はい。そうっすけど。。。」


ちょっとビビりながら返答をすると、親方はジョッキをダンッ!!とテーブルに打ち付ける。

それを見て同じくテーブルを囲んだ数人も同様にジョッキを打ち付ける。


なに!?なにがおこってるの!?


「おいおまえら!このレンズってのが今流行ってる『メガネ』の考案主だ!いいか!顔を覚えると共に感謝せぇよ!!乾杯!!」


食堂にいるほぼ全員がジョッキを上に掲げ乾杯!!!と声をあげ、一気に飲み干す。


「なにがなにやら。。。わけがわからないよ」


挙動不審になっていると、親方がガハハハハと笑いながら俺にジョッキを差し出してきた。


「おまえが作ったあの『メガネ』だがな。あれはいい。ダンゴールの新しい目玉商品になるぞ。」

「は、はぁ。」

「あとだな。。。まだ何人かしかいないが、メガネをかけている女が妙に色っぽく見える。」

「!!!」

「それが狙いなんだろう?同士よ」


まじか!この親父。。。できる。。。!!!

ジョッキを受け取り親方と共にニヤリとして、ジョッキを合わせる。


「メガネのこれからの発展と」

「メガネをかけた女のこれからに」

「「乾杯!!!」」


その後は運ばれてきた料理と共にジョッキに注がれたエールやワインを飲み、テリアさんに冷ややかな目で見られながら楽しい時間を過ごした。


そろそろ解散という時間になった時にそれはおこった。


宿の入り口の扉が勢いよく開き、外から騎士が飛び込んでくる。


「レンズさま!レンズ・グラシールさまはいらっしゃいますか!!!」


なんだね、そんなに慌てて。


「はいはい、ここにいますぞー」

「レンズさま!ノエルさまが!」


その言葉を聞いた瞬間に酔いは一気に覚める。

メガネに付いてる追跡MAPの機能を使ってノエルちゃんの場所を確認するが反応がない。


あれ、これってやばい感じ?


「レイラさま達が館でお待ちです。急ぎご同行お願いいたします!」

「わ、わかった。すぐいく!」


振り返ると酒を飲んでいた連中はきょとんとした顔でやりとりを見ている。


「みなさん、このことは内密にお願いしますっ! テリアさん、これでみんなを酔い潰すくらい飲ませておいて!」

と、テリアさんに金貨1枚を渡す。


「はいよ。ちゃんと帰ってくるんだよ?」

「もちろんですよ」


そこまで会話をして、部屋に戻り軽く準備をしてすぐに戻り、宿の外へ。

そこには馬車を用意していた騎士さんがまだかまだかと待っていた。


「おまたせしましたっ」

「乗ってください。早急に向かいます」


馬車の中に乗った瞬間に発車し、まだ立ったままだった俺は激しく椅子に身体を打ち付ける。

痛いです。


しっかしノエルちゃんの反応がないっていうのはどういうことなんだ。


無事でいてくれるといいんだけど。。。


欲望に忠実なレンズさんですね。

私も欲望に忠実に生きたいです。はい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ