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事件の始まり
夜も更け、誰も居ない校舎に損壊音が響きわたる。飛び散ったガラスの破片が月の光を照らす。
「もうやめようましょうよ……こんなことしたって意味がなのよ!どうして……こんな事するの?」
「どうしてって、楽しいからに決まってんだろ?」
暗闇に声が響く。悲しみを訴える声と、快楽に満ちている声の2つ。
「そんなにやめてほしいならアタシに協力しなければいいだろ?」
「それはそうだけど……」
気の強い女の声が躊躇わせた。
「誰か居るのか!?」
ガラスの音を聞きつけ、警備員が走ってくる。
「警備の人が来たわ、行きましょう!!」
「いや、もう遅いな」
逃げようとした時にはもう遅く懐中電灯で照らされていた。
「おい!そこで何をしている!!」
警備員は不審者を捕まえようと近づく。
「何をしようが自由だろうが!!」
「うっ!!」
そう言放った瞬間、警備員は騒音と供に倒れた。
「やべー、やりすぎたか逃げるぞー」
「え?ちょっとまちなさい!!」
そこには声の主の姿はなく苦しそうに倒れている警備員だけだった。




