issue#05 I I I Why Can't We Be Friends? CHAPTER 04 07
一行が石段を駆け下り、駐車場へ飛び込むと、
そこではすでにネ=レネが「ロング・カウンター」の助手席ドアを開け放ち、
上体だけを突っ込んで、車載スピーカーに話しかけていた。
『――こちら、星間条約機構特使、ネ=レネ・ココ。要求は以上です。これから、現地協力者と共にポイントへ向かいます。友軍識別信号(IFF)を送信中。迎撃砲火の制限をお願いします』
ノイズ混じりの通信機から、クワウバン艦隊のオペレーターの緊張した応答が返る。
ネ=レネは真剣な眼差しでスピーカーをオフにし、振り返って4人に頷いた。
「話は通しました。空はいつでも行けます!」
「よし、乗り込め!時間がない!」
アシュリーの号令と共に、4人は手慣れた動作でキャビンへと滑り込む。
バム、バム、と重たいドアが閉まる音。車内灯が点り、色あせたシートに5人の影が収まる。
「エンジン始動!」
運転席のはちるが叫ぶと同時に、キーを回す。
キュルル……ズオォォォォン!!
荷台に積まれた縮退炉が唸りを上げ、ボンネットの下で超高出力タービンが覚醒の産声を上げた。
古びた車体が、内包するエネルギーの奔流に震える。4輪の可変重力タイヤが青白い燐光を放ち、
アスファルトの地面を焦がしながら浮上を開始した。
「ロング・カウンター、リフトオフ!!」
アクセルが踏み込まれる。 黄色いピックアップトラックは、重力の鎖を断ち切り、
参道を飛び越えて急上昇した。眼下に遠ざかる古寺の瓦屋根。 気が付けば、
そこは銀色に舗装された不気味な地表と、その向こうで待つ星の海の狭間――。
5人を乗せた鋼鉄の愛馬は、メインスラスターの爆炎を闇に引きずりながら、
戦場となる宇宙へと一直線に駆け上がっていった。




