Issue#01 I I I Don't Want to Set the World on Fire CHAPTER 01 02
更新頻度につきまして、ご報告申し上げます。
現在はアーカイブの復旧を最優先事項としております。1エピソードあたり2~3000字を最大文字数とし、1時間に1回という可能な限りのペースで更新を続け、「誤削除前の最先端」に追いつくよう努めてまいります。
読者の皆様におかれましては、どうかご無理をなさらず、ご自身のペースでお読みいただけますと幸いです。
CHAPTER 1
物を炒める途中のフライパンを手に現れたということをのぞけば、
もっともありふれた佇まいをしているのは、この娘だろう。
着丈のやたらと長いピンク色のカーディガンを、さながら和羽織のようにスクールブレザーの上から重ね着した少女の名は「おせち」という。
(おせち 手書き デザイン決定稿)
(おせち 着色未完成 旧顔デザイン)
15〜16歳の少女として、彼女の背格好は標準的だ。
なかでももっとも目を引くのは、そのオレンジ色の髪型だろう。
分類するなら「非常にボリュームのあるくせ毛のボブカット」であり、
前後左右に均等にふくらんだその髪は、彼女の頭部を、まるでカボチャのように印象づけてしまう。
とくに鬢や後ろ髪では、ふさふさと分かれた毛束の先が、どれもやわらかく内へと巻き込み、
その姿は、あたかも3方から髪に指を差されているかのようにも見える。
顔立ちもまた、なかなかに印象深い。眉は太く、瞳は風船を思わせる丸さで大きく、
どちらともがわずかに垂れがちに作られているため、
見る者には、いつもどこかに憂いや恥じらいを湛えているような印象を与える。
とはいえ実際には、その表情に感情が刻々と映し出されることなど、めったにない。
すなわち、人の同情を誘いかねない哀れげな面差しの真相とは、
ひとえに、根っから「イモっぽい」とでも言うほかない、
素朴な容姿に恵まれてしまった――ただそれだけのことなのだ。
だが、だからこそ彼女には、「めんこい」などという、土の匂いをまとう方言産のほめ言葉がよく似合う。
泥くささのなかに息づく健やかな可愛らしさを、何を差し置いても真っ先に伝えてくれるその言葉を、
彼女は、無理なく自身をあらわす宝飾のひとつにすることができたのだ。
2人目の娘「アシュリー」の全身は煌々と燃えさかっており、しかも自在に飛ぶことができた。
堂の出入り口とは反対側の壁――その両隅に設けられた障子戸のうち、
奥側の戸がひとりでに開いたかのように見えた刹那、突入してきたのは、
芯の部分が横に長く、燃焼の勢いおいて並ぶもののない、巨大な火の玉だった。
その火の玉は、ところどころ塗料がこすれたり欠けたりしていながらも、
赤い明朝体で「火気厳禁」と書かれいること自体はたしかな札が、真上にかかった火災報知機の前を、気にも留めず通過し、
さらに進んで、正座する鬼の女の周囲にも焼けただれた螺旋をたちまち積み重ねていく。
「火炎を素材にして塑像された、人間の女の子の姿」という火の玉の正体が誰の目にも明らかになったのは、
それが天井の付近にとどまって、部屋の様子を殿様気分で俯瞰しはじめてからのことだった。
イカ腹に寄った体つきをしたこの少女は、顔立ちもそれにふさわしい童顔でありながら、4人の中で最も強気な目元と眉の角度をしていた。
芯へと近づくにつれて白みを増すオレンジの炎で構成された肉体は、輪郭が絶えずゆらめき、ひし形の火片がそこからちぎれては舞うものの、基本的には普段の体つきの忠実な写しだった。
つまり彼女は、ある種の変身能力者なのだ。自分では確認しづらいだろう後頭部の髪型まで、ほとんど完全な再現に成功している。
とりわけ主根/側根型の根に例えたくなるほど荒い毛並みのこのポニーテールは、普段から唐辛子を思わせるような赤みを帯びていて、
彼女がただ歩くだけでも、縦揺れする毛先がまるで焔の箒のように通り道を掃いていく――そんな印象さえ周囲の者に与えるのだった。
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本家:ページ中にキャラのコンセプトアートなどあり
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