居場所へ
「…私たちはどうすればいいの?」
「電車で帰ろう。今日は土曜だ。ご両親に電話して、駅まで迎えに来てもらおう。」
「うん…。そうだね。」
「朝ご飯食べれる?」
「無理…。」
「じゃあ、俺、先に降りて精算してるから。準備できたら来てね。ゆっくりでいいから。」
流石にショックがでかいか。俺も驚いたけど、俺はもっと凄惨な状況を見てるからな。それと比較すればまだ被害は抑えられた。
俺が精算していると彼女達が降りてきた。
全員、目が潤んでいるし、泣いたあとがある。
そりゃそうだよな。
俺は、タクシーを呼んでもらうと駅まで運んで貰い、
電車で近所の駅に向かった。
駅に降りるまで終始無言だった。
俺もなんて声をかけたら良いか分からなかった。
電車を降りて、彼女達は親御さんたちに連絡をしていた。俺も携帯で親に連絡した。
「母さん?俺だけど、悪いんだけど駅まで迎えに来てくれない?」
「大貴?大丈夫?怪我してない?」
「あの光景夢で見てたからね。昨日の午後の時点で降りてきてたんだ。富士のホテルに宿泊して、今朝出てきたんだよ。」
「まぁ…。すぐに行くからまってなさい。」
少しすると、彼女たちのご両親が迎えに来た。
真理はお母さんが迎えに来ていた。今日は休みだ。
3人とも声に出して泣いていた。
それもそうだろうな。もし、あそこに残っていたら
自分たちが犠牲になっていたかもしれない。
すると、彼らのご両親がこちらにきた。
「娘を連れてきてくれてありがとうね。君が、連れて行こうとしていなかったら、どうなっていたことか。」
「いえ、僕は別に。」
「謙虚なんだね。でも、ありがとう。」
3人ともご両親と帰っていった。
俺もその10分後ぐらいに母親が迎えに来た。
抱きしめようとしていたので、丁重にお断りして
自宅に向かった。