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6人の生きた証〜1つの物語を6人の視点から〜  作者: 林々
第1章〜ヤナギの日記〜

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9/9

1-9 ルノサメ到着

 「奥に見えるあれが、ルノサメです。」


 「色々とありがとうございました。」


 「また何かあったら、頼ってください。それじゃあ、またどこかで会えることを願ってます。」


 そう言って、皆馬車に乗っていった。イトロンさんとメッテミが手を振ってくれている。


 サイラさん達とはこんな感じに別れたわ。


 「さて、私達も移動しましょうか。」


 「そうね。ルノサメ、どんなところかしら?楽しみね。」


 馬車に揺られて、1時間もしない内に門の目の前まで来れたわ。


 「ちょっと混んでるね。」


 「そうね。検問かしら?しばらくは動けそうにないわね。」


 うーん。そこそこ大きい街だから人が多いのは仕方ないけど、待つの疲れるな〜。もっと門の数増やせばいいのに。




 「次のやつ来い!」


 並び始めてからしばらく経って、ようやく私達の番が来たわ。


 「この紙に名前と、訪問目的、それから滞在予定の日数を記入してくれ。その間に荷台の確認をする。壊れやすいものや注意してほしいものはあるか?あれば言ってくれ。記入が終わったら、あの部屋で身体検査を受けてもらう。大して時間はかけん。」


 「分かりました。荷台ですが、温度を調整する魔具がありますので、それは触らないようにしてください。」


 「魔具か、珍しいな。分かった。触らないようにしよう。近くで確認はさせてもらうがな。」


 紙への記入も身体検査もすぐに終わった。


 門をくぐって見えてきた景色はキサールとは大きく違った。

 キサールは道と道が直角で碁盤の目のような街づくりだった。それと比べると、ルノサメは―――


 「なんか、ごちゃごちゃしてるね?」


 「ルノサメは第一都市に近いけど、開発に失敗した街、って言われてるわね。昔の景観を残しながら、所々に最新技術を取り入れようとした結果、どっちも中途半端になったらしいわ。」


 「なるほどね。」


 なかなか可哀想な街ね。まあ、人が居るなら商売は出来るからいいんだけどさ。


 「さて、まだ日も高いし、商売許可区域に行ってみましょう!」


 ルノサメには商売許可区域がある。キサールにもあった。好き勝手やられたら、役人さんもたまったものじゃないものね。


―――――――――――――――


 「えー、サイラちゃん、折角の紫牛(しぎゅう)捨てちゃうの?」


 「念のためね。もらい物なんて食べなくていいなら、食べないにこしたことはないからな。」


 「サイラのぉ、警戒心は今に始まったことじゃぁ、ねぇだろうがよぉ。」


 「ほら、メッテミ、いつまでもしおれてんな。早く移動しちまおう。俺はあんまり野営が好きじゃないんだ。」


 「そうよね、ニレンって野営嫌いよね。キレイ好きだもんね?でもでも、野営も良いところいっぱいあると思うわよ!例えば、虫の声が聞こえたり、街よりきれいに星が見えたりね。星と言えば、この前読んだ本によると地域によって、星座の名前が違うらしいわよ。北の方では―――………

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