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聖女?の娘  作者: いぶさんた
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ノースリー国へ③

休憩が終わり用をたして馬車に乗る。


外なので 穴 でした。


恥ずかしかったけれど我慢が出来るわけもなく無事すませた。

母も恥ずかしそうだった。現代日本人にはハードルが高いと思う。

手洗い?しましたよ。

といっても飲み水は貴重なので砂で。しないよりはマシよね。砂は熱かったので熱砂消毒?

その後キャトリさんに濡れた布を貸してもらったのだけれど、気を使ってもらったんだよね。申し訳ないです。




岩と石の場所を過ぎると国境となる森があり、森を越えればノースリー国になる。

昼過ぎに森の手前に着きそこで昼休憩をして森に入り止まらず進み何もなければノースリー国クロナン辺境伯爵領に着く。

「魔獣や盗賊が出ないといいんだけどな」

護衛のフラットさんがポツリと言う。


ギョっとしてしまった。顔に出ていたんだろうか、タクトさんに

「そんな事ないから大丈夫」

といって頭を撫でられた。子供扱いなのね、16歳なんだけれど。

母はクスクス笑っているからこれは後で揶揄されるだろうな。



馬車に乗り岩や石の間の道を進んで行く。




森の手前まで来て休憩となる。

「井戸?」


時代劇で見るようなつるべのあるものではなくて木の蓋がしてある穴にロープのついているバケツを入れて人力で引っ張りあげるものがある。


「これは人は飲めないので馬に与えたりして森へ入るための準備に使います。この森はいっきに抜けてしまうのが一番良いのでここで馬を休ませ、皆の体調を整えます」


「森を抜けるのにどのくらいの時間がかかりますか」


「一刻(4時間)くらいです。日が沈む前には着きます」

「森で夜を越すことは危ないのでしません」


「お2人を早くノースリー国内にお連れしたいですからね」


母の質問にタクトさん、フラットさん、サントロさんが答えてくれる。


馬の世話をしながら交代で昼食をとる。


母と私は上げ膳据え膳は落ち着かないのでキャトリさんの手伝いをした。


食事をしながらこれからの注意点を聞く。


盗賊は森の入口と出口あたりにいる事が多いけれど、今から馬車にクロナン辺境伯爵の旗を取り付けるので襲われる確率は低く、タクトさんだけでなく護衛の方達も顔と名前が広まっているから彼らが護衛をしている馬車を襲おうとする盗賊は余程の命知らずか大物になるらしい。襲うとしても綿密な計画をしなければならないので今回のような予定外の場合はまず襲われることはないといわれた。


森の中に入ると動物や魔物がでてくる。


動物の場合は馬車を走らせながらでも対応ができるけれど魔物の時は馬車を止めて応戦しなければならない。その時は馬車から絶対に出ないようにといわれた。

しかし、魔物は森の奥にいるので道の出来ている森の浅い所には滅多に出ないらしい。


「一刻の間、早駆けをさせた馬車にずっと乗っているのは大変だけれども我慢をして欲しい」


「「大丈夫です」」

タクトさんが心配そうに見てくるけれど私達のために頑張ってくれるのだからそれくらいは我慢する。




「出発しましょう」

馬車が走り出す。


先程までは窓を開けて外を見ていたけれども森では何がはいってくるのかわからないから窓を閉める。


ガラスが無いので木製の窓は開けるか閉めるかになり、閉めてしまうと馬車の中は薄暗くなった。外の状況がわからないのは精神的に辛くなる。


心配していたけれど、時々『グァ』とか『ブォ』という鳴き声が聞こえた時、その都度キャトリさんが

「今は通り道にいた動物が急いで逃げました」

とか

「邪魔だったから追い払ったみたいです」

など実況してくれるのでそれ程恐ろしいとは思わなかった。



盗賊の心配もしていたけれど森の入り口では盗賊が出なかった。


森の中に入るほどいろいろな鳴き声が聞こえてくる。それもキャトリさんの説明を聞いて気持ちは落ち着いていた。


キャトリさんは動物園の案内係のようだった。


鳴き声でその動物の見た目や生態や行動を説明してくる。不謹慎だけれど窓を開けて姿を見てみたいと少しだけ思ってしまった。


「猪みたいかしら」

「猿みたいね」


母ともそんな会話をしていたので怖いと思うことも無くに森を通りぬけた。


魔物は出なかったみたい。


盗賊は森の出口辺りでも出なかったので予定通り夕方、まだ日のあるうちにノースリー国クロナン辺境伯爵領へはいった。




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