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聖女?の娘  作者: いぶさんた
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ノースリー国へ②

貸馬車屋の御主人トーナンさんに案内されたのは店の奥にある自宅らしい。

「店はいろいろな人が出入りしますから狭いですがこちらで食事をして頂きます」


「お世話になります」


キャトリさん、母、私の三人で部屋に入ると奥さんにパンとスープを出してもらって食べる。

奥さんも影の人なので今回の事を知っている。


食べ終わると奥さんが昼ごはんを渡してくれた。



馬車へ行くとタクトさんが五人の男の人と話をしていた。

「ヨーコ様、サーヤ様、この者達が私と一緒に護衛にあたります」

タクトさんが五人を紹介してくれる。


「よろしくお願いします。それから、タクト様は辺境伯爵家の方と聞きました。私達は平民なので様付けはやめて欲しいです」

母と一緒に挨拶をする。


「しかし…。わかりました。ヨーコさん、サーヤさんと呼ばせてもらいます。私も今まで通りで様付けはやめてください」


「…はい。タクトさん」


タクトさんが照れてしまったのでその場で笑いがおきる。緊張感が和らいだ気がした。



これからは馬車2台になります。商人の行商と護衛と先程と同じく親族に会いに行く女性3人としてノースリー国は向かいます。夕方までにはノースリー国に着く予定です。


母と私は大きく頷いた。



先頭の馬車に乗り込む。

御者はタクトさんとマンダンさん後ろの馬車の御者はシーズさんとフラットさん。中には商品と荷物がのっている。騎馬で右にサントロさん左にクロイトさんの護衛になる。


アーハイワさえ問題無く出られれば時々休憩をとりながら後はひたすらノースリー国に向かう。


「少し無理をしますから体調が悪くなったりしたら教えてください」

キャトリさんから『強行』と聞いていたので覚悟はしているから

「大丈夫です」

と頷いた。



アーハイワの門。入る時は南門だったけれど今度は北門から出る。


北門のほうがノースリー国へ行く道へは近くということと、入ってまだ1時間程しか経っていないので同じ門番だった場合、疑われてもいけないから。


北門に着く。アーハイワの町の住民は顔を見知っている人ならば素通りできるらしいけれどタクトさんはとめられた。商人の身分証を出して説明している。

門番は私達を見て、後ろの馬車の中を見た。


「行っていいぞ。気をつけて」


心配はしたけれども問題なく通る事ができた。





今度の馬車はとても乗り心地が良い。クロナン辺境伯爵家がお忍びで使う馬車なので朝の馬車とは違う。

振動も少ないしクッションも心地が良い。



私はいつの間にか寝ていた。





ガタン


馬車が揺れ、私は微睡みから目を覚ました。

「休憩になります。外に出ませんか」

キャトリさんに促されて馬車を降りる。


えっ、岩?


アーハイワを出た時は草原の様な所を走り、小さな集落があると畑が見えていた。


今は、岩や石がゴロゴロしている場所にいる。


「そちらの大岩の上で休憩します。水場は無いのですが周りがよく見え、大岩には一ヶ所しか上り口が無いので盗賊の警戒が出来ます」


「盗賊が出るのですか」

キャトリさんの言葉に母が聞く。

「そうですね。出ないとは言い難いですが此処では少ないです。この先が森になるのでそちらの方が出やすいです」

母と私が不安になっていると

「大丈夫ですよ。今は聖女様召喚のためにどの国も警戒が強かったので盗賊も大人しくなっています」


タクトさんが後ろから教えてくれる。


「それに、この者達は領内でも精鋭です。安心してください」


「はい。すみません。今までの生活で盗賊とは縁が無かったので…。よろしくお願いします」

母が申し訳なさそうに頭を下げた。



「治安が良かったのですか」

タクトさんに聞かれる。

「そうですね。私の住んでいた国は人を殺めると捕まります。戦争も何十年と無かったですね。泥棒などいましたけれど治安は良い方だと思います。護衛は平民には無縁でしたし」

「確かに治安が良い方だと言われてました」

私は自分の生活を思い出す。





「休憩の準備が出来ました」

キャトリさんから声がかかる。


護衛の方が馬の世話をして、交代で見張りをしている。


座りっぱなしだったので私は体を伸ばした。

ゴキゴキいいそう。


「沙彩、それラ○オ体操よ」

母が隣で笑っている。

「あれっ」

何だか無意識にやっていた。


母も隣でふふんふふんと曲付きで体を動かしている。



日本が懐かしくなってしまった。

こちらに来たのが母と2人で良かった。



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