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聖女?の娘  作者: いぶさんた
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役割

「タクトが指揮を取れ」

「はい」

伯爵とタクトさんがお互いを見て頷く。




対策会議が始まり伯爵が次々と指示を出す。



領都クロナンには第3隊が残る。


クロナン領のその他の町や村全てに伝令を出す。魔物の心配がないため、流星群の話を町長村長にして纏めてもらう。


魔物が現れるグレスクの町にはタクトさんを指揮官として第1隊と砦に駐在中の第2隊。



「タクト、グレスク町の騎士団とも連携してあたれ」

「はい」



「それで王都の陛下への説明は……」

伯爵が扉に向かいと

「私が行きますわ」

奥様が部屋に入って来た。

「聞いていたのだろう」

「はい」

伯爵がため息を吐く。トーリさんとタクトさんは苦笑いだ。


「早馬で行くのだ。わかっているか」

「もちろんです。辺境伯夫人ですよ」

「父上、私も母上に行ってもらうほうが良いと思います。母上ならば騎士達に遅れるとは考えられません」

トーリさん。


陛下への連絡は奥様と第3隊副隊長シーズさんと何人かの騎士が向かう。


「マンダン、すぐにグレスクへ行ってくれ

 伝令は半半刻までに騎士団に集めろ

 陛下への伝令は書簡を準備するから出られるように。

 ハーナ達とタクトと第1隊は陽が上り始めたら出発する


 何かあるか」


伯爵の指示を皆が神妙な顔で聞いていた。


「すみません」

「えっ、お母さん」

母が声をあげた。

「私もグレスク町へ行きます」

「ヨーコさん、駄目です」

母の言葉にサントロさんが返す。

「聖女様にはここにいてもらいたいのですが」

伯爵も困っている。

「グレスク町へ行けば夢見をした場所がもっと正確にわかると思うのです。そうすれば対策が取りやすいはずです」


「しかし」

伯爵は悩んでいる。

「流星群が始まったら町長宅から出ません。ですからお願いします」


母はグレスク町へ行くことになった。

私は残る。本当は行きたかったのだけれどここで我儘を通す事は出来ない。皆、命がけなのだから。





陽が上り始める前には出発の準備は終わっていた。第1隊は100人、荷物を載せた馬車もある。


タクトさん、サントロさん、サントロさんの馬に同乗の母、騎乗した騎士10人が先に行き、半日でつく予定。他の歩兵や馬車の補給部隊は歩きなので夕方につくはず。


「行ってくるわね」

「気をつけてね」

母の言葉に、駄目だ。泣きそう。


「安心しろ。俺達がヨーコさんを守るから」

タクトさんがそう言って頭を撫でてくる。

この人はいつまで私を子供扱いするのだろう。


母達が出発した後に奥様も王都に向かった。





伯爵は伯爵邸で働く使用人、文官など全ての人に流星群の話をした。ここでは、流れ星は不吉とされているので流れ星か多数見られる流星群の話をした時には騒ついたけれど(伯爵邸で働く人達はこの世界ではエリートになる)伯爵の話を聞き、説明を受けて落ち着いていった。



タクトさんがグレスク町へ行ったので私は伯爵付きになり流星群の対応を手伝っている。

伯爵は自警団団長や多数の組合長や商会の代表者を呼び流星群の話をする。


私は他の文官達と新聞の号外のようなものを書いている。これを領都中に配ることになっている。

とにかく多くの人に流星群の事を知ってもらわなければならない。

和紙のような紙に全て手書きのため大変だけれど私は私の役割を果たそう。





###クロナン辺境伯夫人 ハーナ


ハーナ達王都へ向かう者達は走り続けた。休憩は最小限、馬は途中の町や村で替え、夜は動ける時間まで進み宿に泊まり朝は陽が昇る前には出発した。


王都まで馬車で進めば5・6日かかる。ハーナ達は3日かからず走った。


クロナン伯爵家を出て3日目の昼前に王都に着いた。ハーナはノースリー国国王ヒサーロへの取り次ぎを頼む。


伝令が無事に到着していたようですぐに会うことができた。

執務室には兄王ヒサーロと次兄マキトが揃っていた。

聖女の力は王だけに話す予定だったけれどもマキトも関わっているので話しても良いと判断した。

そこで時間を取られる事を嫌がったというのもある。


ハーナは聖女の力の事、流星群の事、魔物の事を話す。

王ヒサーロはハーナの話を一言ももらさないように聞いていた。普通に考えればこのような話は信じられない。眉唾物と思うだろう。しかし、妹であり辺境伯夫人がわざわざ馬を駆けてきたのだから疑いはない。



マキトに王都中に流星群の話を広めるように指示を出す。そしてグレスク町へ騎士団2個隊を向かわせた。



ノースリー国中で流星群対策が始まった。

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