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聖女?の娘  作者: いぶさんた
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告白

伯爵に呼ばれて執務室へ行く。部屋の中へ入ると、話をしていた伯爵とサントロさんがこちらを見てぱたっと話をやめる。

『そうだよね。私達の話をしていたんだよね』



「おはようございます」

母が挨拶をする。この状況でそんなに普通に話しかけるなんて。この世界に来てから母の強かさを良く見るようになった。


「おはよう。早くから呼び出してしまって悪かったね」

「いえ、大丈夫です。ただ、沙彩は今日から学校なので下がれませんでしょうか。学校へは行かせたいと思います」

「あぁ、そうか。もうすぐ集まる時間になるな。しかし、今回の事は…」

伯爵は夢見の話が聞きたいから学校は休んでほしいけれど、母の言い方ではそれは出来ないと思っているみたい。


少しの静寂の後、

「沙彩、学校へ行きなさい」

母が言う。

「良いの」

「後はお母さんに任せて」



「ヨーコさん、それは困ります」

二人で話をしているとサントロさんが止めるけれど、


「大丈夫です。私ですから」


ガタン


母が言うと伯爵が椅子から慌てて立ち上がり、サントロさんは母を凝視している。


驚くよね



「ローラン、人払いを」

侍女が部屋を出て行き伯爵、サントロさん、ローランさん、母、私の五人が残る。

「沙彩は学校へ行くのよ」

母に再度いわれてしまったので私は執務室を出て部屋へ戻った。

どのような話をしているのだろうか。





### 騎士団長サントロ


朝食時、ヨーコさんとサーヤさんが私達のテーブルに来た時は今日から学校へ行くのでその話かと思っていたけれど、様子がおかしい。

悩んでいるのか考えているのか、言い淀んでいるようだった。


「サントロさんは今日はどうするのですか」

ヨーコさんに聞かれ

「今日は伯爵が領地の見廻りに行くからその護衛です。あ、昨日のラスターの件でしたら試作品が出来たら連絡が来ますので心配ないです」

今日の予定を伝えるが、ふと、昨日の歩行器のことか気になっているのかと思いラスターの話もした。


すると今度は移動手段を聞いてくる。



「見廻りの時ですが、伯爵は馬車です。私は馬車の隣を護衛として騎馬で行きます」

「あ、あの、馬車の点検はされていますか」


馬車がどうかしたのか。


「御者がしているはずですが、どうしたのですか」


「……夢を」

「ゆめ?」

「夢を見ました。馬車の車輪が外れて伯爵様が怪我をします」

この人は何を言っているんだ。


「それは夢の話ですよね」

何が言いたいのか。   聞き返してしまう。


「お母さん、他の夢の話もしないと」


サーヤさんにいわれヨーコさんが話した事は信じられなかった。


調理中の鍋に火が入る。

奥様のドレスが紫だった。

など、偶然と言ってもおかしくないがそれはそれで納得しかねた。

「今まではそれほど大した事ではなかったので話さなかったのですが今回はお知らせした方が良いかと思いました」


伯爵が怪我をすると言うなら眉唾物でも確認をしないといけないだろう。

「すぐには信じられませんが、私が馬車を見てきます。車輪が外れるのでしたね」



馬車庫へ行き御者に話を聞くと、掃除と馬車周りの点検は毎日しているが内側は5日に一度程度で3日間点検をしていないらしい。


御者に今から点検をするように言う。御者は不満気だったけれど騎士団長の私の言う事なので渋々馬車の下に潜っていった。



御者が馬車の下から出て来ると頭を下げた。

「団長すみませんでした」

車軸が歪んでいたらしい。このまま走らせていれば今日明日にでも車輪が取れて大事故になっていたかもしれないと御者は真っ青になっていた。


御者に修理を依頼するように言い、伯爵のもとへ急ぐ。

どちらが聖女様なのだ。


話をしていたのはヨーコさんだった。しかし、サーヤさんが夢を見てヨーコさんに話したとも考えられる。


伯爵に取り次ぎを頼むと侍女がまだ就寝中だと言うのでローランを呼んでもらう。

ローランに馬車の話をするとすぐに伯爵は取り次いでくれた。


伯爵の私室にはいると伯爵は寝服にガウンを羽織った姿だった。

ヨーコさんから聞いた夢の話をする。

鍋、ドレス、馬車。


「サントロ、どう思う」

難しい顔をした伯爵に問われ

「どちらかが聖女様の力を持っているのだと思われます」

自分の思ったままを話す。


「そうか」

伯爵は深く頷き

「ローラン、お二人を…執朝食が済んだ頃に務室へ来るようにお呼びしてくれ。私も着替えたらすぐに行く。サントロも来てくれ」





伯爵と聖女の力の話をしていると二人が執務室へ入って来た。『いや、聖女の力を発現させたのだからこのような言葉遣いはやめたほうがいいのか』


そんな事を考えていると

「沙彩は今日から学校なので下がれませんでしょうか。学校へは行かせたいと思います」

ヨーコさんがサーヤさんを学校へ行かせたいと言う。


伯爵は賛成しかねると言いたそうだ。そうだろう、聖女の力の話をしたいのだから。


少しの静寂の後、

「沙彩、学校へ行きなさい」

ヨーコさんがサーヤさんに言っていたので

「ヨーコさん、それは困ります」

と言うと

「大丈夫です。私ですから」

ヨーコさんから告げられた。



ヨーコさんが聖女様なのか。


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