-93- 便意
尾籠なお話で申し訳ありませんが、小便にしろ大便にしろ、我慢している間に安らぎ感はありません。^^
竹岡は、とある有名な古刹を巡っていた。天候にも恵まれ、気温も二十度前の快晴である。
「こちらは何という仏様ですか?」
竹岡は案内する僧に訊ねた。
「ああ、こちらの仏様は愛染明王と申されまして、愛欲を浄化されるお仕事をされておられます…」
「お仕事ですか?」
「はい、さようでございます。お仕事をされておられます。仏様にしろ神様にしろ、それぞれ役割がある訳でございます…」
妙な説明だな? と瞬間、竹岡は思ったが、それもそうだな…と、今風の僧侶の説明に納得した。そのとき、俄かに便意が竹岡を襲った。竹岡の額に脂汗が滲んだ。
「どうか、されましたか?」
「と、トイレはありましょうか?」
「ご不浄でございますか?」
「はいっ!」
「ここから数分先にございます。アチラでございます…」
「し、失礼っ!!」
居ても立ってもおられず、竹岡はトイレへと小走りした。だが、時すでに遅く、竹岡は下着を汚してしまった。その瞬間から竹岡の安らぎ気分は完全に消滅した。善後策を講じねばならないからだった。
竹岡さんがその後、どのようにして古刹から出られたのか? は知りませんが、^^ 小難で終わられたことをお祈り致します。便意だけは安らげませんね。^^




