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-92- 下駄を預ける
安らげず困り果てた末に、他人に下駄を預けることで安らぎを得る方法があります。まあ、この場合は責任放棄ですから、他人目には悪く映りますので時に寄りけりです。企業ですと下請けに丸投げして下駄を預ける・・とかの方法が用いられているようですが…。^^
上尾はとある町の議員である。家業の薬局を経営しながら議員を兼業としていた。そんな上尾に議員仲間から議長の呼び声が上がった。上尾としては家業と議員の兼業で休む暇もなかったから、これ以上時間を取られるのは…という迷惑気分だった。弱り果てた上尾は急病を装い、知己の議員、平田に下駄を預けることにした。
「そういうことですから平田さん、議長の一件、よろしくお願い致します…」
「はあ…。まあ、そういうことでしたら」
平田は専業の議員で他に職業は持っていなかったから、上尾に比べて時間的なゆとりがあり、快く応諾した。ところが、その平田が俄かな流行り病に倒れ、入院する破目に陥ったのである。となれば、平田に預けられた上尾の下駄は宙に浮くことになる。結果、上尾はふたたび安らぎを失い、思案に暮れている・・という話である。当然、そうなれば、上尾の胸中に安らぎは訪れない。
安らぎを得るために下駄を預ける・・という手法は、危ういということでしょうか?。^^




