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-87- 暮らし

 今の時代は暮らしやすいか? と問えば、確かに物資に困ることはありませんから暮らしよい・・と捉えるのが一般的です。しかし、考えなくてもいいのに深く考えますと、^^ 必ずしもそうではないことに気づかされます。ですから、今の時代は安らぎがない暮らしとも言えるでしょう。便利ないい暮らしが安らげるとは限らない・・ということになります。

 日下(くさか)は思うでなく過去の暮らしを思い出していた。

『あの頃は物がなかったが、車も走らず、泥道を自転車が時折り通るくらいだったなあ…。雨が降らず道が乾燥すれば、風呂の残り湯をよく撒かされたものだ…』

 戦後の物が豊かでなかった幼い頃が日下を懐かしくさせた。暮らしにくかったか? と辿ればそうではなく、緩やかな時の流れが心を和ませ、安らぎになった…と日下を思わせた。日下はまた、思わなくてもいいのふと、思った。^^ 物の豊かさと心の豊かさは反比例するんだ…と。

 小忙しい時の流れの現在、暮らしにも気遣う諸事が増えている。あの頃にはなかった暮らしにくさが日下の胸を過(よぎ)った。あの頃・・ポイ捨てられた芥(ゴミ)を拾うバタ屋という職業が成立した時代でもあった。捨てる人はほとんどいなかった…と、日下はさらに巡った。ポイ捨てる人の胸の内は分からないが、ポイ捨てる罪悪感が人の心から消えた…とは、日下にも分かった。

 暮らしから安らぎが消えた昨今、日下は昔風の時代遅れで生きていこう…と決意した。

 確かに、何かにつけて暮らしにくい世の中ですね。^^

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