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-5- 個人差
安らぎには個人差があります。ほんの些細なことで安らぎを覚える人と、余程のことがないと安らげない人に分かれます。無論、どちらでもなく普通の人は程々で安らぎを覚える場合が多いのですが…。^^
ゴルフ用具の製造工場である。その中で村川は日々、残業に明け暮れていた。毎日、金属製の用具を梱包する作業を続ける中、勤務帰りにおでんを味わいながら屋台で飲む燗酒が村川の唯一の安らぎを得られる場だった。
ほろ酔い気分で自宅へ戻ると、村川は浴室のシャワーで汗を流し、何げなくテレビのリモコンを押した。映し出されたテレビ画面はゴルフ番組だった。そのとき、村川の脳裏に、ふと疑問が湧いた。
『残業しても、たかだか¥30万そこいらだからなぁ~。技能の才があるとはいえ、好きなゴルフをして¥数百万か…』
早い話、工場で働いて汗を流し数十万の自分とプロゴルフファーとの社会格差を村川は思った訳である。
『まあ~、俺には才がないんだから仕方がないか』
村川は諦念した。だが、風呂上がりの美味いジュースを飲んでいるうちに考えが変わった。
『こういう平凡な安らぎは、あの人達にはな…』
個人差を思った瞬間、村川はテレビ画面で競技するプロゴルフファー達が少しも羨ましくなくなった。




