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25/37

-25- 意識

 安らぎたいっ! と思えば思うほど安らげない、ということがあります。どうも、意識しないところに安らぎの源泉があるように思えます。

 坂田は、アアしてコウしたあとソウしようと考えていた。安らぎのお膳立てを意識して考えていたのである。ところが、物事はそう都合よくは進まない。

 とある駅である。

「ええっ! あのお弁当屋さん、なくなったんですかっ!」

 駅弁を楽しみにして旅立とうとした矢先、八代続いた老舗の弁当屋が店を畳んだことを知った坂田は、ガックリと肩を落とした。田坂の意識は、列車の指定席に座り、暖かいお弁当を食べながら流れる景色を楽しむ・・というものだった。この寛げる快適な時間が坂田にとっては安らぎ以外の何物でもなかったのである。そのあと、目的の地で一泊の宿をとり、温泉に浸かったあと、山の幸、海の幸の美味しい料理を食べながら美酒に酔う・・と、まあ意識して考えていたのである。ところが、ものの見事に出鼻を(くじ)かれたと、まあ話はこうなる。意識していた安らぎのお膳立てが崩れては旅も何もあったものではない。坂田は温泉旅を断念し、即断で帰宅した。

 安らぎを求める意識は、如才なく緻密に練り上げ、さらに確認も怠らないところからまれるようですね。^^

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