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小話24 飛来してきた者2
「 …… 」
影が立ち上がると、煙が霧散して…いや影に風の渦がまとわり付いていた。
影の輪郭だけが見え、色や姿がはっきりとしない。その場にいた者は、反応できずに立ち尽くす。果たしてこれは、どう切り出せば良いのかと。常連客の1人が唾をごくりと飲み干すと、口を開く。
「あんた、何者だ?」
「 …… 」
無言。腕の影や顔が動いているは分かる。何か伝えようとしているらしいが、如何せん表情も口が開いているのかも不明。影がうねうね動く。せめて姿か声があるだけでも違うのに。天井を破壊した衝撃が薄れて常連客が近づいた。すると。
ピョコっ。
『耳が生えた!?』
影の顔らしき側面から、横長の尖った耳が突き出る。通常の人の耳の2〜3倍の大きさ。影の一挙一動に客達は、心穏やかにいられない。
「ほんと、なんなのあれ?」
「誰?」
「風の渦、邪魔!」
怪しい影に、彼らは文句を言う。しかし、その姿は見えず、影は両手をふってブンブン動かしたり、しゃがんで地面に文字を書いたり、それはもう豊かな反応を示す。




