扉のヒント
生息地というか出現場所が動くとなると一生懸命探しても手掛かりすら手に入れられない可能性が普通にあるってことか。
「何か扉の場所のヒントというか、手掛かりになるようなことわかりませんかね?」
「手掛かりですか。そうですね、資料を読んでみたらいいと思いますよ」
さっきの本と同じ棚から一冊の本を持ってきてくれた。
「さっきの人が扉の場所についてまとめたものですね。多分参考にはなると思いますよ」
「ありがとうございます」
そこに経験を書き記しているもののようだ。
扉の向こうの世界を予想したり、出てくる場所をまとめてあったり、その人の経験の中の予想を記してあった。
この本に書かれていることには、
『扉の出現場所についてだが、細かいことはそこまでわからないが、出現前の何日か前から、モンスターと出会う回数が減り、黒いものが増えた。素早く動く小さいものだ。
そして、不思議なのは扉のあると思われる場所に出てきた日は誰も行こうと思わなかったらしいのだ。』
とある。
あの、その黒い動きの速いのって。思い当たるのがあれしかないんだけど。
小さく絵が描かれて、このような姿と書かれている。
あ~うん。そっか。あいつら探すのか。
確かに名前を言うのもはばかる黒い光沢をもったものを探した方が早いだろう。
書いてあるのを見るにはそこそこ多そうだもんね。
はぁ~自分から探しに行くのか。
そのあと、集合場所に行きシーダーにあった後、調べたことを話した。
「え~ほかに方法はないの。会いたくないなあ~」
「仕方ないだろ、それならそっちは何か情報は手に入ったのか」
「え~情報はないけど」
「何していたんだよ、じゃあ。時間かかってたけど。」
「いや、そんな大したことは何もしてないよ~」
「まあ、いいや。じゃあ、探しに行こう。あいつを」
「仕方ないね。本当は見たくもないんだけど」
重い腰を上げ立ち上がる。
探しに行こう、あの名前を言うのもはばかる黒い光沢をもった俊敏なものを。
「はぁ。なんで受けたんだろう。このクエスト」
「いや、今更「だって、あいつを探さないといけないなんて」あぁうん」
なんだろうな。こいつは、報酬に振り回されたことに気付いているのか。
「それにしても、図書館ってすごいね。情報が多いし、見つかるのが早いし」
「そうだな。まあ、早さに関しては、司書さんがすごいだけだけど」
そういえば、あの人は暇なんだろうか。毎回寝てたり裏にいたりしてる。
「図書館って、普通の人は見つからないみたいだよ。フラグを立てないといけないみたい」
「運がよかったんだな」
「多分ね」
そこから静かに探し続け、数時間後シーダーがあの名前を言うのもはばかる黒い光沢をもった俊敏なかさかさ動くものみて悲鳴を上げ倒れた。
遅くなってごめんなさいっ。ありがとう!




