表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私的解釈で詠む万葉集  作者: あ
2巻
9/74

2/91 妹之家毛 継而見麻思乎 山跡有

2/91

題詞:近江大津宮御宇天皇代 [天命開別天皇 謚曰天智天皇] / 天皇賜鏡王女御歌一首

題訓:近江の大津の宮に天の下知ろしめしし天皇の代  天皇の鏡女王(かがみのおほきみ)に賜へる御歌(おほみうた)一首

原文:妹之家毛 継而見麻思乎 山跡有 大嶋嶺尓 家母有猿尾 [一云 妹之當 継而毛見武尓] [一云 家居麻之乎]

訓読:妹が家も 継ぎて見ましを 大和なる 大島の嶺に 家もあらましを

仮名:いもがいへも つぎてみましを やまとなる おほしまのねに いへもあらましを

(一云)

原文:妹之當 継而毛見武尓 山跡有 大嶋嶺尓 家居麻之乎

訓読:妹があたり 継ぎても見むに 大和なる 大島の嶺に 家居らましを

仮名:いもがあたり つぎてもみむに やまとなる おほしまのねに いへをらましを


~~~~~~


2/92

題詞:鏡王女奉和御歌一首

原文:秋山之 樹下隠 逝水乃 吾許曽益目 御念従者

訓読:秋山の 木の下隠り 行く水の 我れこそ益さめ 御思ひよりは

仮名:あきやまの このしたがくり ゆくみづの あれこそまさめ みおもひよりは


***私的解釈***


原文:秋山 樹下隠 逝水乃 吾許曽益目 御念之従者

訓読:秋山の 木の下隠り 行く水の 吾れこそ益さめ 御思はしよりは

仮名:あきやまの このしたがくり ゆくみづの あれこそまさめ みおもはしよりは


~~~~~~


2/93

題詞:内大臣藤原卿娉鏡王女時鏡王女贈内大臣歌一首

題訓:内大臣(うちのおほまへつきみ)藤原の卿(まへつきみ)の、鏡女王を娉(つまど)ひたまふ時、鏡女王の内大臣に贈りたまへる歌一首

原文:玉匣 覆乎安美 開而行者 君名者雖有 吾名之惜<裳>

訓読:玉櫛笥 覆ふを安み 明けていなば 君が名はあれど 吾が名し惜しも

仮名:たまくしげ おほふをやすみ あけていなば きみがなはあれど あがなしをしも

校異:毛→裳 [元][金][紀]


***私的解釈***


訓読:玉櫛笥 覆ふを安み 開けていなば 君が名はあれど 吾名惜しくしも

仮名:たまくしげ おほふをやすみ あけていなば きみがなはあれど あなをしくしも


(別の読み)

訓読:君名はあれども 吾名惜しくし

仮名:きみなはあれども あなあたらしくし


~~~~~~


2/94

題詞:内大臣藤原卿報贈鏡王女歌一首

題訓:内大臣藤原の卿の、鏡女王に報贈こたへたまへる歌一首

原文:玉匣 将見圓山乃 狭名葛 佐不寐者遂尓 有勝麻之<自> [玉匣 三室戸山乃]

訓読:玉櫛笥 みむろの山の さな葛 さ寝ずはつひに 有りかつましじ

仮名:たまくしげ みむろのやまの さなかづら さねずはつひに ありかつましじ

校異:目→自 [元][類]

(一云)

原文:玉匣 三室戸山乃 狭名葛 佐不寐者遂尓 有勝麻之<自>

訓読:玉櫛笥 三室戸山の さな葛 さ寝ずはつひに 有りかつましじ

仮名:たまくしげ みむろとやまの さなかづら さねずはつひに ありかつましじ


***私的解釈***


訓読:玉櫛笥 みむまろ山の さ名葛 つひにさ寝ずは 有りかつまじし

仮名:たまくしげ みむまろやまの さなかづら つひにさねずは ありかつまじし


山に生えるという葛(=さね葛)の名前の様に、共寝しない事はあってはならない。


~~~~~~


2/95

題詞:内大臣藤原卿娶釆女安見<兒>時作歌一首

題訓:内大臣藤原の卿の釆女(うねべ)安見児(やすみこ)を娶えたる時よみたまへる歌一首

原文:吾者毛也 安見兒得有 皆人乃 得難尓為云 安見兒衣多利

訓読:吾れはもうや 安見児得たり 皆人の 得かてにすとふ 安見児得たり

仮名:あれはもうや やすみこえたり みなひとの えかてにすとふ やすみこえたり


***メモ***


原文:吾者毛也 安見兒得有 皆人乃 得難尓為云 安見兒衣多利

訓読:吾はもうや 安見児得たり 皆人の 得かてにすといふ 安見児得たり

仮名:あはもうや やすみこえたり みなひとの えかてにすといふ やすみこえたり


安見兒衣多利の衣を「()」と意読すると「安見児来たり(やすみこきたり)」とも読めるか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ