8/1448 吾屋外尓 蒔之瞿麥 何時毛
春相聞
題詞:大伴宿祢家持贈坂上家之大嬢歌一首
題訓:大伴宿祢家持が坂上家の大嬢に贈る歌一首
原文:吾屋外尓 蒔之瞿麥 何時毛 花尓咲奈武 名蘇經乍見武
訓読:我がやどに 蒔きしなでしこ いつしかも 花に咲きなむ なそへつつ見む
仮名:わがやどに まきしなでしこ いつしかも はなにさきなむ なそへつつみむ
***私的解釈***
修正:吾屋外尓 蒔之瞿麥 何時毛 咲奈武花尓 名蘇經乍見武
訓読:我が屋戸に 蒔きし撫子 いつしかも 咲きなむ花に なそへつつ見む
仮名:わがやどに まきしなでしこ いつしかも さきなむはなに なそへつつみむ
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題詞:大伴田村家<之>大嬢與妹坂上大嬢謌一首
題訓:大伴田村家の大嬢が、坂上の大嬢の妹に与(おく)れる歌一首
原文:茅花抜 淺茅之原乃 都保須美礼 今盛有 吾戀苦波
訓読:茅花抜く 浅茅が原の 壺菫 今盛りなり 吾が恋ふらくは
仮名:つばなぬく あさぢがはらの つほすみれ いまさかりなり あがこふらくは
校異:毛→之 [代匠記初稿本] / 歌 [西] 謌 [西(訂正)] 歌
茅花から抜きん出て咲く壺菫のように、私の恋路は盛りを迎えています。
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題詞:大伴宿祢坂上郎女歌一首
題訓:大伴宿禰坂上郎女の歌一首
原文:情具伎 物尓曽有鶏類 春霞 多奈引時尓 戀乃繁者
訓読:心ぐき ものにありけるぞ 春霞 たなびく時に 恋の繁きは
仮名:こころぐき ものなりけるぞ はるかすみ たなびくときに こひのしげきは
心苦しいものですね。春霞が棚引く時に恋心を募らせると。
この歌はおそらく坂上大嬢の母親「大伴坂上郎女」の歌。




