4/492 衣手尓 取等騰己保里 哭兒尓毛
題詞:田部忌寸櫟子 任 <大>宰 時 歌四首
校異:太→大 [桂][元][金][紀] / 歌 [西] 謌 [西(訂正)] 歌
たなべのいみきのいちひこが、太宰府を任されていた時の歌4首
原文:衣手尓 取等騰己保里 哭兒尓毛 益有吾乎 置而如何将為 [舎人吉年]
訓読:衣手に 取り滞り 泣く子にも 増したる吾れを 置きて如何にせむ
仮名:ころもでに とりとどこほり なくこにも ましたるあれを おきていかにせむ
服にくっついてきて泣く子にも増して泣いてしまった私をここに残してどうしたいのだ?
舎人吉年:田部忌寸櫟子の妻。
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原文:置而行者 妹将戀可聞 敷細乃 黒髪布而 長此夜乎 <[田部忌寸櫟子]>
校異:<>→田部忌寸櫟子 [元][細]
訓読:置きて去なば 妹恋ひむかも 敷き栲の 黒髪敷きて 長きこの夜を
仮名:おきていなば いもこひむかも しきたへの くろかみしきて ながきこのよを
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原文:吾妹兒乎 相令知 人乎許曽 戀之益者 恨三念
校異:乎 [元][紀][金](塙) 矣
漢文:恨三念 乎許曽人 相令知 吾妹兒<矣> 者戀之益
訓読:吾が妹子に 会ひ知らさしむ 人こそを 恨めしみ思ふ 恋ひ増さらせば
仮名:あぎもこに あひしらさしむ ひとこそを うらめしみもふ こひまさらせば
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原文:朝日影 尓保敝流山尓 照月乃 不猒君乎 山越尓置手
訓読:朝日影 匂へる山に 照る月の 明かざる君を 山越しに置きて
仮名:あさひかげ にほへるやまに てるづきの あかざるきみを やまごしにおきて




