3/482 打背見乃 世之事尓在者 外尓見之
妻を亡くした夫の歌
題詞:悲傷死妻高橋朝臣作歌一首[并短歌]
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題訓:反し謌
原文:打背見乃 世之事尓在者 外尓見之 山矣耶今者 因香跡思波牟
訓読:うつせみの 世のことにあれば 外に見し 山をや今は よすかと思はむ
仮名:うつせみの よのことにあれば よそにみし やまをやいまは よすかとおもはむ
*** メモ ***
修正:打背見乃 世之事尓在者 外尓見之 山因香跡 今者思波牟耶矣
訓読:うつせみの 世のことにあれば 他所に見し 山をよすかと 今は思はむや
仮名:うつせみの よのことにあれば よそにみし やまをよすかと いまはおもはむや
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原文:朝鳥之 啼耳鳴六 吾妹子尓 今亦更 逢因矣無
訓読:朝鳥の 哭のみし泣かむ 我妹子に 今またさらに 逢ふよしをなみ
仮名:あさとりの ねのみしなかむ わぎもこに いままたさらに あふよしをなみ
***私的解釈***
修正:朝鳥之 啼耳鳴六 吾妹子尓 今亦更 逢因無矣
訓読:朝鳥の 哭のみも泣かむ 吾妹子に 今また更に 逢ふよしもなし
仮名:あさとりの ねのみもなかむ あぎもこに いままたさらに あふよしもなし
左注:右三首七月廿日高橋朝臣作歌也 名字未審 但云奉膳之男子焉