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私的解釈で詠む万葉集  作者: あ
4巻~
119/119

16/3887 天尓有哉 神樂良能小野尓 茅草苅

原文:天尓有哉 神樂良能小野尓 茅草苅 々々<婆>可尓 鶉乎立毛

訓読:天にあるや ささらの小野に 茅草刈り 草刈りばかに 鶉を立つも

仮名:あめにあるや ささらのをのに ちがやかり かやかりばかに うづらをたつも

校異:波→婆 [尼][類][古]


***私的解釈***


漢文:苅茅草尓小野能神樂良有尓天矣、可立鶉毛尓波苅草哉   

修正:天尓有 神樂良能小野尓 茅草苅矣 草苅尓<波>毛 鶉立可哉

訓読:雨にありぬ 笹等の小野に 茅草刈る 草刈り(には)も 鶉立つかや

仮名:あめにありぬ ささらのをのに ちがやかる かやかりにはも うづらたつかや


乎→矣


~~~~~~


16/3888

原文:奥國 領君之 <柒>屋形 黄<柒>乃屋形 神之門<渡>

訓読:沖つ国 うしはく君の 塗り屋形 丹塗りの屋形 神の門渡る

仮名:おきつくに うしはくきみの ぬりやかた にぬりのやかた かみのとわたる

校異:染→柒 (塙) / 涙→渡 [尼][紀]

※柒は塗の異体字。


***私的解釈***


修正:奥國 領君之 <染>屋形 黄<染>乃屋形 神門<涙>之

訓読:奥つ国 領く君の 染め屋形 黄染めの屋形 神門泣きにし

仮名:おくつくに うしはくきみの そめやかた 黄ぞめのやかた かむとなきにし


最後の「なきにし」は黄色く染めるなという意味との掛詞。黄を()と読む場合は「勿き/にし(そ)」、()と読む場合は「莫/きにし(そ)」と区切る。


~~~~~~


16/3889

原文:人魂乃 佐青有<公>之 但獨 相有之雨夜<乃> 葉非左思所念

訓読:人魂の さ青なる君が ただひとり 逢へりし雨夜の 葉非左し思ほゆ

仮名:ひとたまの さをなるきみが ただひとり あへりしあまよの ***しおもほゆ

校異:君→公 [類][古][紀] / <>→乃 [尼][類][古]


***私的解釈***


漢文:所念葉非左思(尓於)雨夜、(すなはち)之相有君有佐青乃(如)人魂、之但獨

修正:人魂乃 佐青有<君>之 但獨 相有之雨夜(尓) 葉非左思所念

訓読:人魂の さ青なる君が ただ独り 逢はりし雨夜に 灰差し思ほゆ

仮名:ひとたまの さをなるきみが ただひとり あはりしあまよに はひさしおもほゆ


灰差すは「紫に染める」という意味の染物用語。何故か「灰差()」で調べても引っかからない。

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