16/3887 天尓有哉 神樂良能小野尓 茅草苅
原文:天尓有哉 神樂良能小野尓 茅草苅 々々<婆>可尓 鶉乎立毛
訓読:天にあるや ささらの小野に 茅草刈り 草刈りばかに 鶉を立つも
仮名:あめにあるや ささらのをのに ちがやかり かやかりばかに うづらをたつも
校異:波→婆 [尼][類][古]
***私的解釈***
漢文:苅茅草尓小野能神樂良有尓天矣、可立鶉毛尓波苅草哉
修正:天尓有 神樂良能小野尓 茅草苅矣 草苅尓<波>毛 鶉立可哉
訓読:雨にありぬ 笹等の小野に 茅草刈る 草刈り場も 鶉立つかや
仮名:あめにありぬ ささらのをのに ちがやかる かやかりにはも うづらたつかや
乎→矣
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原文:奥國 領君之 <柒>屋形 黄<柒>乃屋形 神之門<渡>
訓読:沖つ国 うしはく君の 塗り屋形 丹塗りの屋形 神の門渡る
仮名:おきつくに うしはくきみの ぬりやかた にぬりのやかた かみのとわたる
校異:染→柒 (塙) / 涙→渡 [尼][紀]
※柒は塗の異体字。
***私的解釈***
修正:奥國 領君之 <染>屋形 黄<染>乃屋形 神門<涙>之
訓読:奥つ国 領く君の 染め屋形 黄染めの屋形 神門泣きにし
仮名:おくつくに うしはくきみの そめやかた 黄ぞめのやかた かむとなきにし
最後の「なきにし」は黄色く染めるなという意味との掛詞。黄をにと読む場合は「勿き/にし(そ)」、きと読む場合は「莫/きにし(そ)」と区切る。
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原文:人魂乃 佐青有<公>之 但獨 相有之雨夜<乃> 葉非左思所念
訓読:人魂の さ青なる君が ただひとり 逢へりし雨夜の 葉非左し思ほゆ
仮名:ひとたまの さをなるきみが ただひとり あへりしあまよの ***しおもほゆ
校異:君→公 [類][古][紀] / <>→乃 [尼][類][古]
***私的解釈***
漢文:所念葉非左思(尓於)雨夜、乃之相有君有佐青乃(如)人魂、之但獨
修正:人魂乃 佐青有<君>之 但獨 相有之雨夜(尓) 葉非左思所念
訓読:人魂の さ青なる君が ただ独り 逢はりし雨夜に 灰差し思ほゆ
仮名:ひとたまの さをなるきみが ただひとり あはりしあまよに はひさしおもほゆ
灰差すは「紫に染める」という意味の染物用語。何故か「灰差し」で調べても引っかからない。




