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私的解釈で詠む万葉集  作者: あ
4巻~
118/119

16/3883 伊夜彦 於能礼神佐備 青雲乃

16/3881

原文:大野路者 繁道森俓 之氣久登毛 君志通者 俓者廣計武

訓読:大野道は 茂道茂路 茂くとも 君通はさば 道は広けむ

仮名:おほのぢは しげちしげみち しげくとも きみしかよはば みちはひろけむ


***私的解釈***

訓読:大野道は 茂道いよよ道 茂くとも 君通ひしは 径は広けむ

仮名:おほのぢは しげぢいよよぢ しげくとも きみかよひしは みちはひろけむ


~~~~~~


16/3882

原文:澁谿乃 二上山尓 鷲曽子産跡云 指羽尓毛 君之御為尓 鷲曽子生跡云

訓読:渋谿の 二上山に 鷲子産むといふぞ 翳にも 君のみ為に 儂子産むといふぞ

仮名:しぶたにの ふたがみやまに わしこうむといふぞ さしはにも きみのみために わしこうむといふぞ


さしはは、偉い人の顔を隠す道具。この歌ではそれを使う人を指しているか?


~~~~~~


16/3883

原文:伊夜彦 於能礼神佐備 青雲乃 田名引日<須>良 霂曽保零 [一云 安奈尓可武佐備]

題詞:越中國歌四首

訓読:弥彦 おのれ神さび 青雲の たなびく日すら 小雨そほ降る

仮名:いやひこ おのれかむさび あをくもの たなびくひすら こさめそほふる

校異:<>→須 [代匠記精撰本]


(一云)

原文:伊夜彦 安奈尓可武佐備 青雲乃 田名引日<須>良 霂曽保零

訓読:弥彦 あなに神さび 青雲の たなびく日すら 小雨そほ降る

仮名:いやひこ あなにかむさび あをくもの たなびくひすら こさめそほふる


*** メモ ***


新潟では「~だ」が「~ら」に訛りやすい

彌彦神社は「おやひこさま」と呼ばれている。

この巻くらいまで為→伊に書き換えていたらしく「い○○」という動詞を生みまくっている。だがこの歌では「誰々さん」の「さ」。


修正:於夜彦為 於能礼神佐備 青雲乃 名引田日<>良 霂曽保零

訓読:お弥彦(やひこ)さ おのれ神さび 青雲の (なび)きたる日ら 小雨そほ降る

(一云)

訓読:お弥彦(やひこ)さ あなに神さび ~


お彌彦様は神々しく、青雲が棚引いている日だというのに小雨を降らせてみせた。

(一云)お彌彦様はなんとまあ神々しく、~


~~~~~~


16/3884

原文:伊夜彦 神乃布本 今日良毛加 鹿乃伏<良>武 皮服著而 角附奈我良

訓読:弥彦 神の麓に 今日らもか 鹿の伏すらむ 皮衣着て 角つきながら

仮名:いやひこ かみのふもとに けふらもか しかのふすらむ かはころもきて つのつきながら

校異:<>→良 [西(左書)][尼][紀][温]


*** メモ ***


無理矢理旋頭歌にした。


修正:於夜彦為 神乃布本 鹿乃伏<>武加 今日良而毛 皮服著 角附奈我良

訓読:お弥彦さ 神の麓に 鹿の伏せむか 今日らても 皮衣着て 角つきながら

仮名:おやひこさ かみのふもとに しかのふせむか けふらても かはころもきて つのつきながら

この巻くらいまで為→伊に書き換えていたらしく「い○○」という動詞を生みまくっている。


と上に書いたが、例えば古事記の久米歌で「伊須久波斯いすくはし」と使われていることを考えると、この時代では普通の表記だったのかもしれない。


ちなみに伊須久波斯は

久波斯→くはし(形容詞)

須→す(動詞)

伊→為→す(助動詞)

の順で読めば、「くはしくせす くぢら(美しくあられる くぢら)」と読める。

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