16/3883 伊夜彦 於能礼神佐備 青雲乃
16/3881
原文:大野路者 繁道森俓 之氣久登毛 君志通者 俓者廣計武
訓読:大野道は 茂道茂路 茂くとも 君通はさば 道は広けむ
仮名:おほのぢは しげちしげみち しげくとも きみしかよはば みちはひろけむ
***私的解釈***
訓読:大野道は 茂道いよよ道 茂くとも 君通ひしは 径は広けむ
仮名:おほのぢは しげぢいよよぢ しげくとも きみかよひしは みちはひろけむ
~~~~~~
16/3882
原文:澁谿乃 二上山尓 鷲曽子産跡云 指羽尓毛 君之御為尓 鷲曽子生跡云
訓読:渋谿の 二上山に 鷲子産むといふぞ 翳にも 君のみ為に 儂子産むといふぞ
仮名:しぶたにの ふたがみやまに わしこうむといふぞ さしはにも きみのみために わしこうむといふぞ
翳は、偉い人の顔を隠す道具。この歌ではそれを使う人を指しているか?
~~~~~~
16/3883
原文:伊夜彦 於能礼神佐備 青雲乃 田名引日<須>良 霂曽保零 [一云 安奈尓可武佐備]
題詞:越中國歌四首
訓読:弥彦 おのれ神さび 青雲の たなびく日すら 小雨そほ降る
仮名:いやひこ おのれかむさび あをくもの たなびくひすら こさめそほふる
校異:<>→須 [代匠記精撰本]
(一云)
原文:伊夜彦 安奈尓可武佐備 青雲乃 田名引日<須>良 霂曽保零
訓読:弥彦 あなに神さび 青雲の たなびく日すら 小雨そほ降る
仮名:いやひこ あなにかむさび あをくもの たなびくひすら こさめそほふる
*** メモ ***
新潟では「~だ」が「~ら」に訛りやすい
彌彦神社は「おやひこさま」と呼ばれている。
この巻くらいまで為→伊に書き換えていたらしく「い○○」という動詞を生みまくっている。だがこの歌では「誰々さん」の「さ」。
修正:於夜彦為 於能礼神佐備 青雲乃 名引田日<>良 霂曽保零
訓読:お弥彦さ おのれ神さび 青雲の 靡きたる日ら 小雨そほ降る
(一云)
訓読:お弥彦さ あなに神さび ~
お彌彦様は神々しく、青雲が棚引いている日だというのに小雨を降らせてみせた。
(一云)お彌彦様はなんとまあ神々しく、~
~~~~~~
16/3884
原文:伊夜彦 神乃布本 今日良毛加 鹿乃伏<良>武 皮服著而 角附奈我良
訓読:弥彦 神の麓に 今日らもか 鹿の伏すらむ 皮衣着て 角つきながら
仮名:いやひこ かみのふもとに けふらもか しかのふすらむ かはころもきて つのつきながら
校異:<>→良 [西(左書)][尼][紀][温]
*** メモ ***
無理矢理旋頭歌にした。
修正:於夜彦為 神乃布本 鹿乃伏<>武加 今日良而毛 皮服著 角附奈我良
訓読:お弥彦さ 神の麓に 鹿の伏せむか 今日らても 皮衣着て 角つきながら
仮名:おやひこさ かみのふもとに しかのふせむか けふらても かはころもきて つのつきながら
この巻くらいまで為→伊に書き換えていたらしく「い○○」という動詞を生みまくっている。
と上に書いたが、例えば古事記の久米歌で「伊須久波斯」と使われていることを考えると、この時代では普通の表記だったのかもしれない。
ちなみに伊須久波斯は
久波斯→くはし(形容詞)
須→す(動詞)
伊→為→す(助動詞)
の順で読めば、「くはしくせす くぢら(美しくあられる くぢら)」と読める。




