16/3870 紫乃 粉滷乃海尓 潜鳥
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原文:紫乃 粉滷乃海尓 潜鳥 珠潜出者 吾玉尓将為
訓読:村前の 蚕形の海にて 潜く鳥 珠潜き出でば 吾が玉にせむ
仮名:むらさきの こがたのうみにて かづくとり たまかづきでば あがたまにせむ
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原文:角嶋之 迫門乃稚海藻者 人之共 荒有之可杼 吾共者和海藻
訓読:角島の 瀬戸のわかめは 人の共 荒らさりしかど 吾どもは別かめ
仮名:つのしまの せとのわかめは ひとのむた あらさりしかど あどもはわかめ
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原文:吾門之 榎實毛利喫 百千鳥 々々者雖来 君曽不来座
訓読:吾が門の 榎実も食めりし 百千鳥 千鳥は来れど 君来まさぬぞ
仮名:あがかどの えみもはめりし ももちどり ちどりはくれど きみきまさぬぞ
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原文:吾門尓 千鳥數鳴 起余々々 我一夜妻 人尓所知名
訓読:吾が門に 千鳥しば鳴く 起きよ起きよ 我が一夜妻 人に知らゆな
仮名:あがかどに ちとりしばなく おきよおきよ わがひとよづま ひとにしらゆな
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原文:所射鹿乎 認河邊之 和草 身若可倍尓 佐宿之兒等波母
訓読:射ゆ鹿を 身止む川辺の にこ草の 身の若かへに さ寝し子らはも
仮名:いゆしかを みとむかはへの にこぐさの みのわかかへに さねしこらはも
鹿を足止めする川、その川辺に生えているにこ草を見ると若い頃に共寝した娘を思い出すのだ。




