13/3263 己母理久乃 泊瀬之河之 上瀬尓 伊杭乎打
己母理久乃 こもりくの こもりくの
泊瀬之河之 泊瀬の川の はつせのかはの
上瀬尓 上つ瀬に かみつせに
伊杭乎打 斎杭を打ちて いくひをうちて
下湍尓 下つ瀬に しもつせに
真杭乎挌 真杭を打ちて まくひをうちて
伊杭尓波 斎杭には いくひには
鏡乎懸 鏡を懸けて かがみをかけて
真杭尓波 真杭には まくひには
真玉乎懸 真玉を懸けて またまをかけて
鏡成 鏡なす かがみなす
我念妹毛 我が思ふ妹も わがおもふいもも
真珠奈須 真玉なす またまなす
我念妹毛 我が思ふ妹も わがおもふいもも
有跡 在りつると ありつると
謂者社 言ひぬればこそ いひぬればこそ
由可米 行かめども ゆかめども
國尓毛家尓毛 国にも家にも くににもいへにも
誰故可将行 誰が故行かむか たがゑゆかむか
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原文:年渡 麻弖尓毛人者 有云乎 何時之間曽母 吾戀尓来
訓読:年渡る までにも人は ありといふを いつの間にもぞ 吾が恋ひにける
仮名:としわたる までにもひとは ありといふを いつのまにもぞ あがこひにける
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題詞:或書反歌曰
原文:世間乎 倦迹思而 家出為 吾哉難二加 還而将成
訓読:世の中を 憂しと思ひて 家出せし 我れ何にかや 還りてならむ
仮名:よのなかを うしとおもひて いへでせし われなににかや かへりてならむ




