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私的解釈で詠む万葉集  作者: あ
1巻
1/73

1/22 河上乃 湯津盤村二 草武左受

明日香の清御原(きよみはら)の宮の天皇の代。十市皇女(とほちのひめみこ)の伊勢の神宮(おほみかみのみや)に参赴(まゐりおもむ)く時、波多の横山の巌(いはほ)を見て、吹黄刀自(ふきとじ)が作りし歌。


原文:河上乃 湯津盤村二 草武左受 常丹毛冀名 常處女煮手

訓読:川の上の 齋つ岩群に 草生さず 常にもがもな 常処女にて

仮名:かはのうへの ゆついはむらに くさむさず つねにもがもな とこをとめにて

校異:盤 [文][温] 磐


***私的解釈***


修正:河上乃 湯津盤村二 草武左受 常丹冀毛名 常處女煮手


岩群は「いはむる」との掛詞。

草は民草との掛詞。

刀自は(女性の)料理人。吹き刀自はおそらくカマド周り専門の料理人。


川上にある岩場に草が()さないように、お祈りの中に私に関する事を混ぜる必要はありませんよ。常に理想を求める乙女ですから。


~~~~~~


4/490

原文:真野之浦乃 与騰<乃>継橋 情由毛 思哉妹之 伊目尓之所見

訓読:真野の浦の 淀の継橋 心ゆも 思へや妹が 夢にし見ゆる

仮名:まののうらの よどのつぎはし こころゆも おもへやいもが いめにしみゆる

校異:<>→乃 [西(右書)][元][類][金]


***私的解釈***


漢文:由情(於)継橋<之>与騰乃浦之真野毛、思妹之所見尓伊目哉

修正:真野之浦乃 与騰<之>継橋 情由毛 思妹 伊目尓所見之哉

訓読:真野の浦の 淀の継橋 心ゆも 思ひぬる妹が 夢に見えしや

仮名:まののうらの よどのつぎはし こころゆも おもひぬるいもが いめにみえしや


真野の浦の淀の継橋も心惹かれるけれど、夢に見えるのはあなた様なのです。


継は(つがい)かそれ関連の言葉の掛詞。


~~~~~~


4/491

題詞(吹芡刀自歌二首)

原文:河上乃 伊都藻之花乃 何時<々々> 来益我背子 時自異目八方

訓読:川上の いつ藻の花の いつもいつも 来ませ我が背子 時じけめやも

仮名:かはかみの いつものはなの いつもいつも きませわがせこ ときじけめやも

校異:<>→々々 [西(右書)][類][紀][細]


***私的解釈***


漢文:何時(いまし)来益我背子乃花之伊都藻(於)河上、八方目異時自

原文:河上 伊都藻之花乃 乃何時<> 来益我背子 時自異目方八

訓読:川上の (いつ)藻の花の 汝いつか 来ませ我が背子 時じけまふや

仮名:かはかみの いつものはなの いましいつか きませわがせこ ときじけまふや


川上の神聖な藻の花のような、夫になってくださる誰かが、私のもとに来てくださる時が来たのかもしれないですね。

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