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令和百物語  作者: みるみる
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第八十七夜 夢子ちゃん


最近私達の通う小学校では、「夢子ちゃん」という夢の中に出てくる謎の子供の話で盛り上がっていました。



夢子ちゃんは、決まって誰かと一緒にいて、毎日違う誰かの夢に出てくるのだそうです。



「夢子ちゃんってどんな子なの?」


「夢子っていうぐらいだから、女の子だよね。」


「うちのクラスで見た子いる?」



夏休みを前にした今日、私達のクラスも夢子ちゃんの話題で盛り上がっていました。



「‥俺見たよ。夢子かどうかは分からないけど、敬と女の子が夢の中に出てきた。」


「どんな子だった?」


「‥うーん、覚えてないけど‥。」


「何か話した?」


「あっ、『これは夢なんだよ。』って言ってた。」


「それだけ?」


「うん。その後すぐに目が覚めたから。」


「なーんだ、つまんない。」


「でも、『これは夢なんだよ。』って言ってたんだよね。何だか怖くない?何だか夢の中から自分に話しかけられてるみたいで‥‥。」


「夢の中で、夢だよって言ってただけだろ?普通じゃね?」


「‥‥そうかなぁ。」



私は皆んなの話を聞きながら、夢子ちゃんの話なんてどうせただの都市伝説だ、とその時は思っていました。



ですが‥夏休みも始まり何日か経ったある日、私は一緒に寝ていた妹と共に不思議な夢を見ました。



先に目覚めた妹が興奮した様子で、私の体を揺さぶり起こして言いました。


「お姉ちゃん、お姉ちゃん、起きてる?私ね、今知らない女の子と一緒にいる夢を見たの。」


「‥どんな夢だった?」


「私が知らない女の子と手を繋いで歩いてる夢だよ。でね、その子と私が歩いてたら、夢の中のお姉ちゃんに会ったの。でね、私とその子でお姉ちゃんにこう言ったんだよ。『これは夢なんだよ。』って。」


なんと、妹が見た夢に、夢の中の私がいたと言うのです。


‥‥そして、驚いた事に実は私も夢の中で妹を見ていました。



「‥やだ、私も夢見ちゃった。夢の中で、あんたが知らない女の子と歩いて来て私を見てクスクス笑ってたんだよ。でね、二人して『これは夢なんだよ。』って言って来たんだよ‥‥。」



「怖っ。二人して同じ夢見ちゃったんだ。」



「‥ねぇ、あんたと一緒に歩いた女の子って‥‥。」



「「夢子ちゃんかも!」」



どうやら、学校の噂は本当だったようです‥。


‥‥夢子ちゃんは違う誰かと共に、今日もまた誰かの夢の中に遊びに行っているかもしれません。そして、きっとまたこう言うのでしょう‥。



『これは夢なんだよ。』



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