Last lesson Ken and Tomoko
「Kenくん、大きくなったら私たち、結婚しようね!」
小学生の頃、ゼク○ィを俺に見せながら、ませたことを言っていた知子。
「隣のクラスの吉岡くんに付き合おうって言われちゃった⋯⋯あ、もちろん断ったよ! でもなかなか本当に告白してほしい人からは、して貰えないなぁ、チラッチラッ」
チラッチラッも言葉に出していた欲しがりやの知子。
欲しかったのだろう、ツッコミが⋯⋯。
ずっと一緒だと思っていた。
運命を感じていた。
そう、ただ同じ日、同じ病院、隣同士なんて偶然なんかより、もっと大きな「運命」のような繋がりを感じていたのに⋯⋯。
彼女は、あっさり俺を裏切った。
いや、すでに裏切っていたのだ。
今日、この外国人に出会ったことではっきりした、彼女の裏切りが⋯⋯俺を、嫉妬という名の獄炎で身を焼いている。
そのまま二人で学校に向かいつつも、俺は言葉を発することもなく、無言で歩んだ。
そんな俺の様子を上目づかいで伺う知子も、また無言だ。
校門前についたころ、パタパタと後ろから走ってくる音に気が付き、振り向いた。
走って来ていたのは共通の友人、仁科かなえだった。
かなえは、俺たち二人に追いつき、言った。
「あ、Ken、知子、おはよー」
その瞬間──俺の忍耐はついに、限界を迎えた。
挨拶してきたかなえには答えず、横にいる知子へと叫んだ。
「なんでお前はTomokoじゃねーんだよぉぉぉぉおおお!? ズルいぞ!」
俺の叫びを聞いた知子は、きょとんとした顔で言った。
「え? 私、知子だけど⋯⋯どうしたの、Ken君」
「いやいやいやいや! Tomokoだったら『トウモッコー』みたいな感じになるはずだ! でもお前『ともこ』じゃん! 俺は『ケィェン(ヌ)』なのに! お前普通に『ともこ』じゃねぇか! この裏切者が!」
「う、裏切者? なに言ってるの、Ken君」
「そのKen君やめろぉぉおおおお! 普通に『けん』ってよべや!」
「あ、うん、わかった、けん君」
「だからケィェン(ヌ)やめろって! 普通に⋯⋯え?」
「けん君」
「知⋯⋯子?」
「けん君!」
「知子!」
「けん君!」
「知子おおあおおお!」
「けん君うううううううん!」
「君はいらねぇ! けんって呼んでくれ!」
「けん!」
「ともこおおおおおおおお!」
「けええええええええええん!」
俺たちはお互いの名を叫び、抱き合った。
そして彼女の顔を見ながら、言った。
「知子、好きだ。付き合って⋯⋯いや、結婚しよう」
「ずっと⋯⋯」
「ん?」
「ずっと⋯⋯その言葉⋯⋯待ってたんだからね!」
「ともこおおおおおおおお!」
「けええええええええええん!」
俺たちがキツく抱き合う中、かなえが言った。
「やれやれ、見せつけてくれちゃって。まあハッピーエンドね」
「違うぞ、かなえ」
「え?」
「俺たち二人の物語は⋯⋯ここからさ」
そう。
俺たち二人の新しい物語⋯⋯New Voyage(新航海)は、ここから始まる。
おわり。
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