初めてのデート。
『あっおはよう』
『おはよっ♪』
待ち合わせは駅。
それが理想。
篠塚くんは白いTシャツに黒い
『…今何時か分かってる??』
『まだ1時間以上も前(笑)』
『早過ぎるwww』
『ごめんなさぁい』
『じゃ、行こうよ』
『うん♪』
休日なのでいつもよりか少し人通りが多い。
そんな中を進むのは少し気が重い。
でも今日は篠塚くんがいてくれてる。
そのお陰で、私は何も気にしなくてよかった。
『今日はどこにいくの??』
『まずは遊園地に行きたいな』
『えっ、でも…』
『行きたいのっ(笑)』
『…分かった。行こう』
『やったぁ☆』
遊園地なんていつ振りだろう。
ゴンドラに乗って高いところに行くのだって本当に久しぶりだ。
『うわーすごく遠くまで見える』
『あ、富士山も綺麗に見えるね!』
『本当だ!うわー感動した(笑)』
他の人にとっては日常的なことでも、
私にとっては特別なことっていうのが最近多い。
例えば観覧車なんて覚えている限り、乗ったことない。
フリーパスを買い、中に入る。
メインキャラクターの犬みたいのが出迎えてくれた。
『んー…あぁ。気持ちいい~♪』
『大丈夫?気持ち悪くなったらすぐに言ってね?』
『全然大丈夫(笑)ほら行こう!』
ヤバい、なんかテンション上がってきた(笑)
この遊園地は園内を車が走らないので、段差がかなり多い。
普通に歩いていたら気にならないような本当に小さな段差でも、
私のこの車椅子で乗り上げるとかなりの衝撃になる。
…正直、かなり痛い。
家族とか学校の友達とかはそんな私を置いていってしまうから、遊園地は嫌いだった。
でも今日は…
『次はあそこにいきたい!』
めっちゃ楽しい(笑)
ジェットコースターとかは足が無いと踏ん張れないので乗れないけれど、
あまり速くないものとかお化け屋敷とかしか入れない。
それでも私にとっては良い思い出になる。
篠塚くんは一切私と離れようとはしな…あ、一回トイレ行ったか。
でも、それ以外はいつも一緒にいてくれた。
もっともっと遊びたいけれど、とりあえずはお昼前でここはおしまい。
『ありがとう。本当に楽しかった♪』
『そう?楽しんでくれて俺も嬉しい』
遊園地を後にする。
ここからは立川市に移動。
都心じゃないけれどおっきな駅で家からも行きやすいところ。
お昼はそこのマックで済ませた。
足はなくても、体はいたって健康なんだな、私。
『さて。次はどこに行きたいのかな?』
『はいっ!ショッピングセンターでお洋服を見たいです!』
『洋服かぁ~。今日の服も十分可愛いけど(笑)』
『ありがとう(笑)お洋服は見てるだけで楽しいの。だから今日は買わないんだ(笑)』
『そうなんだ。じゃあルミネ行く?』
『うん!』
なんだか篠塚くんがいるっていうだけでどこにでも行ける気がしてきた(笑)
いつもだったらチクチクする視線も、今日は何故か穏やか。
エレベーターは運良く2人きりになれた。
何か話さなきゃ。
そう思うけど、もう緊張しちゃって話すどころか声も出ない。
うあー神様、どうか私をお助けください!
こんにちは。高橋拓郎です。
今回から、会話文を繋げてみました。
深い意味はありません(笑)
いつもどおり、ほんわかした雰囲気です。
意味がないかもしれないけれど、
これを読んで笑顔になれることを信じて。
これからもよろしくお願いします。