きっと、私なら大丈夫。
何系を読もう。
恋愛?青春?冒険?ホラー?サイエンス?それともファンタジー?
うーん、今はもっと元気になりたい。
なら何がいいんだろう。
…調べてみよう。
道路のでこぼこが体全体に伝わってくる。
あまりに段差が大きいとお尻がいたくなる。
珍しく通りにはまったく人がいなかった。
…というよりも、なんだか模型の中にいるみたいだった。
風もなく、人もいない。車も通らず、ただ太陽が照りつける。
抜け殻みたいな街に思えた。
でもそんな街でも、図書館の中には絶えず人がいた。
それは老若男女、それぞれだ。
中は涼しく、心地よい。
こんなに気分が悪くても、笑顔になれるような雰囲気で包まれていた。
『ふぅーっと』
さて、検索検索。
…あ。
篠塚、くん…。
こんな時に…。
あの女の子は、もういないようだった。
彼から少し離れようと右に曲がろうとしたとき、
車輪が床に落ちていた鉛筆を踏んだ。
その時にわずかながら〝カタ…〟という音がした。
やばっ…。
この距離だったらギリギリ気付かないかな?と思ったけれど、
期待に反して篠塚くんがこっちに振り返った。
『あっ由実ちゃん』
『あの…ど、どうも…』
『ん?どうしたの?なんか顔色が悪いみたいだけど…』
『い、いや…あの…』
『ん?』
さっき見たことを聞いてみようか悩んだ。
それで私の気持ちを悟られたら…。
…。
だめだ。
このままずるずると半端な気持ちでいるのは私が辛い…。
『…ね、あのさ』
『どうした??』
『さっきの…女の子…』
『え?』
…もういいや。吹っ切れよう。
『さっき一緒にいた女の子、彼女??』
そうでしょ?あんなに楽しそうで、しかも女の子はすごくかわいかった。
『あぁ、志保?』
ほら。下の名前で呼んでる。
『俺の妹。っていっても双子だけど』
…妹??
え?え?
『妹…って…』
『いや(笑)普通に妹だよ?今度志保の誕生日だからそのプレゼント買ってたの。
彼女なんていないよ』
…そうだったのか…。
なんて勘違いをしてたんだろう…。
何も知らないで一人で勝手に悲しんで…。
なんかバカみたい…(笑)
『そうだったんだ…(笑)』
『なんで彼女www』
『いや、それこそ普通に楽しそうだったから』
『そうか?プレゼント買った帰りだったからかなぁ』
『そっか(笑) なんか良かった』
『え?なんで?』
『あっ…なんでもないですwww』
危ない…バレてないよね…笑
でも良かった。本当に良かった。
妹さんなら…私は篠塚くんを好きでいて良いんだよね。
こんな私でも。
良いよね。
神様は許してくれる。きっと。
だって初恋だもん。
大丈夫。
自信出しなさい、由実。
こんばんは。もう書きあがっているので、バンバンあげたいと思います。
今回は、一瞬ヒヤッとさせながらも、
安心して読めるような内容かと思います。
なんとなくですが、こんなことよくありそうですね(笑)
道端で見かけた時に、異性と仲良さそうに話していて。
自分とより、その人との方が似合っているような気がして。
でも、本当はただの親友で。
自分の友達に相談された内容を、引用させていただきました(笑)
思いっきり急展開に持ち込むことは基本的にしませんが、
少しおっと思わせるようにするのもアリかなと思います。
では。