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ガールミーツガール③

「転校生の氷川雪です。皆さんよろしく」

 朝のホームルーム冒頭、担任に促され教室前方で挨拶をする転校生、氷川雪を前に百合は目を丸くした。

 間違いない、あの夜、急に声をかけてきた少女だ。この見た目で見間違えることなどない。

 けれど、だとしたらなぜここに?

 偶然? それとも……。

 百合が訝しんでいると、ぐるりと教室内を見回した雪の視線がピタリと止まった。そう、まっすぐ百合に向けて。

 その口元に浮かぶ微笑み。

「あら、お久しぶりね百合」

 決して大声ではないが、教室の隅々までしっかり届く澄んだ芯を感じさせる声。

 瞬間、クラスメイトたちの視線が一斉に百合へ向かった。

「何だ、上石としりあいか?」

「えぇ。先日、縁がありお茶を共に」

 担任の問いかけに、そう返す雪。

「そうか。なら、上石の隣の席にするか。生徒会長、知り合いなんだし慣れるまで転入生の世話頼んだぞ」

「いや、あの先生? 生徒会長の負担多すぎません?」

「大丈夫だ。だって、お前は優秀だし」

「それ、無理するときに本人が言うセリフでは?」

 精一杯抗うが、百合の儚い叫びが届くことはなく。元々隣に座っていたクラスメイトは、本来なら雪が座るはずだったであろう空いている席へ向かっていく。

 対して、当の本人である雪は優雅な足取りで席へ向かってくる。そして、百合の前でピタリと足を止め状況さえ違えば見惚れてしまうような笑みを浮かべる。

「クラスメイトになったわね。これからよろしく、百合」


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