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大剣使い乱入

なんだかんだで、魔法学校の門前に到着したその瞬間、


「っ!?」


ブウゥゥンッ!


俺は突然、大剣で襲われた。


反射的に躱しながら振り返ると、そこには予想外の人物が立っていた。大剣を片手で軽々と持ったロイドがそこにいた。


「おお、流石速い。よっす、アダスの旦那。お久しぶり!」


ロイドは大剣を振り下ろしながらも、満面の笑顔を浮かべていた。服の上からでもわかる筋肉質な体つきと、野性的なイケメンの顔立ち。それに加えて、まるで肉食の猛獣のような鋭い視線が俺に向けられている。ロイドの赤い髪は、太陽に照らされてますます目立っていた。


この男、ロイドはサラたちと同じ、ヒロイックオンラインで俺が作製したサブキャラクターの一人だ。ステータスを腕力に極振りした超アタッカータイプで、大剣を使った脳筋戦法で大型の敵でも殴り倒すやつだ。性格は脳筋でガサツ、少し短気、でも良い男……いや、漢だ。


「ロイドか。ヒロイックぶりで会えて嬉しいけど、襲ってくるなよ。」


「いやー、五明丸からアダスの旦那がここにいるって聞いて……俺、どうしても手合わせしたくてな!」


ロイドの脳筋なセリフと、そのガサツな言動に、俺は顔をしかめる。


「はぁ。そう言えばお前、五明丸より戦闘狂だったなぁ。」


「バァッカ、旦那。戦闘狂なんてやめろよぉ……照れるだろ。」


「照れるなバカタレ。んで、ロイド。」


俺はロイドに突っ込みながら、彼のもう片手に担がれている子供に目を向ける。


「お前が担いでる子供って?」


「ああ、ガウルだよ。遠征先で倒れているのを見つけて、ついでに連れてきた。」


ロイドが担いでいる子供、ガウルもまたロイドと同じくヒロオンのサブキャラクターの一人だ。ナイフ二刀流で戦う素早さと攻撃力を上げたキャラだ。


「よし、旦那。ちょっとヤり合おうか。」


「あ、ちょっ」


「危ないにゃあ!」


ロイドは何の前触れもなくガウルを放り投げた。


地面に落ちるガウルを、サラが素早くスライディングしてキャッチする。


「ふぃー、ロイド兄は乱暴だにゃあ。」


「おー、サラ。いい反射神経してるな。後で手合わせしような。」


「げぇ、嫌だにゃ。」


「んだよ、つれねぇな。」


ぶーぶー不満そうに言いながらも、ロイドは大剣を構えて俺に向ける。


「よし、旦那……ヤろうか。」


「いやいや、お前ここ王都。街中だぞ」


「よいしょぉーー!」


ロイドの振り下ろす一撃に合わせ、一瞬の隙を見逃さず、俺は鋭い連撃を放った。右の拳を打ち込んだ後、即座に左の拳で追撃し、その後に膝を入れる。各攻撃のタイミングと連携が絶妙で、ロイドはその速さに反応しきれず、次第に防御が疎かになっていった。


ロイドの大剣が地面を砕く度に、強烈な衝撃波が発生し、周囲の砂埃を舞い上がらせた。その中で俺は身を屈め、ロイドの攻撃を巧みに回避しながら、さらに連続攻撃を加えていった。俺の拳がロイドの肩を、腰を、そして胸を打つたびに、彼の表情には痛みの色は浮かばず、むしろ楽しそうに笑みを浮かべていた。ロイドは痛みを感じながらも、ひたすらに「面白い!」という感じで目を輝かせ、戦いを楽しんでいる様子だった。


「くっ、さすがだぜ……旦那!」


ロイドはその圧倒的な力を振り絞り、大剣に最後の一撃を込めて振り下ろした。しかし、その大剣は俺の連撃に耐え切れず、強烈な衝撃で亀裂が走り、ついには真っ二つに割れ、細かな破片となり、周囲に飛び散った。大剣の破片が周囲に飛び散り、その爆風で俺の髪と服が揺れた。


ロイドは驚愕の表情を浮かべながらも、すぐに満面の笑顔に変わり、俺に向かって拳を掲げた。


「ハハハ!さすがだ、アダスの旦那!やっぱ旦那との戦い、楽しいぜ!」

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