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第10話 オーランド議員の決意

「オーランド議員、臨時評議会が招集されました。すぐに出席してください」

私設秘書のレイモンドが私の執務室に入ってくるなりそう言った。


「なに!?臨時評議会?どうせ執政府はボルーヌ進攻作戦の承認を議会に求める気だろう。我ら和平派が健在な限りこれ以上の戦争は起こさせんぞ!執政府内のルイス外交部長だって反対してくださるはずだ!」


「それが議員、ルイス外交部長は先日失脚したそうです…」


「何!?で次の外交部長は?」


「カーラエル執政官が兼任なさるようです」


「なんだと!?あやつはすでに中央統合軍の司令官も兼任してるではないか!?行政、軍事、外交…。これでは独裁者ではないか!」


「議員、あまり大声を出さずに…。どこで誰が聴いているかわかりません」


「おぉ、たしかに…。まぁ、良い。あやつの天下もこれまでじゃ。これから開かれる臨時評議会でワシはカーラエル執政官に対する不信任決議案を出す。同じ志をもつ和平派の議員がこぞって賛成してくれるじゃろう」


「議員、気をつけてください。執政府の魔の手は今や聖域と言われたこの評議会にまで伸びています。細心の注意が必要です」


「なに安心せい。必ず成功する!よし!では議事堂に向かうぞ」


「はい…」

二人は議事堂に向かって歩きだした。



「おぉ、ユイ議員。これから議事堂に?」


「これはオーランド議員。はい、先程臨時評議会が招集されましたから…。執政府はまたボルーヌ攻略作戦の承認を求める気でしょう…。どうしてそんなに戦争がしたいのでしょうか…」

彼女は悲しい表情を浮かべながらそう言った。

ユイ議員は私と同じ和平派の議員だ。まだまだ若いが強い心をもった女性だ。きっと将来、今は亡き父上と同じ有望な人物になるだろう。


「なに、安心なされよ。承認は得られぬ。我ら和平派が健在な限りはな。おぉ、ちょうど良い!ユイ議員に頼みがある。ワシはこの臨時評議会でカーラエル執政官に対する不信任決議案の動議を出す。この動議にぜひ賛成してもらいたい」


「さすがオーランド議員。大胆ですね。もちろん私も賛成します!最近のカーラエル執政官は独裁者を目指しているとしか思えません」


「ユイ議員もそう思うか?本当に最近の奴の専横ぶりは目に余るものがある。でもそれも今日で終わりじゃ。ワシが不信任決議案を出せば和平派の議員諸氏がこぞって賛成してくれるじゃろう。ヤツの天下も今日で終わりじゃ」


「そうだといいんですが…。何やら嫌な予感がします」

ユイ議員は不安そうな表情を浮かべる。


「お二人方。もうそろそろ臨時評議会が始まります。お急ぎを」

レイモンドが話し込んでいる二人に向かってそう言う。


「おぉ、もうこんな時間か。ユイ議員、議事堂に急ぎましょう」


「はい、行きましょう」


三人は議事堂に向かって改めて歩きだした。



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