↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
S級転生チケットを盗まれたので、アメーバからやり直します!  作者: しゃじなっぽ
第2章 水辺の生き物たち

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
16/16

15話 じいさん、得する

シズカは意を決してもう一度ドアを開ける--

そこではやはり陸太とヒナが、ステータス画面を開いて笑い合っている。


シズカは色々と諦めた--


パタン


ドアが閉まる音に振り返ると、シー子さんが立っていた

「なんであなたがいるのよ。ブラボー」

「あ!陸太さんに湯呑みをお願いされたの」

「そうなんだよ。シー子さんが出た後、お茶を飲もうとしたら熱くてね」

「お茶ですか?」

「そうそう、こうやってね」


僕は空の湯呑みと、お茶が入った湯呑みを両手に持った。慣れた手つきで、お茶を空の湯呑みへ移す。移し終えるともう一度移す。それを繰り返す。


トクトクトクトク…

トクトクトクトク…

トクトクトクトク…

…ズズズ。


「ほら!これで冷めるでしょ!」

一口、お茶を飲んで得意げに言った。


「おおぉぉ!!すごぉい!!陸太さん、ほんと物知り!おじいちゃんの知恵袋だぁ!」

「ははは!92年の生活の知恵だよ!」

歓声と共にパチパチパチと拍手をするBさんに、僕は少しだけ胸を張った。


(…あっ、そういえば小さい時おばあちゃんが、ああやって冷ましてくれてたな……って何センチになってるのよ!)


この時のシズカは、こうして自分に突っ込むことで、なんとか正気を保っていた--


「…まあ、いいわ。この後の話もあるから、貴方も一緒にいてくれるかしら?」

「!!…あのシズカが私に一緒にいて欲しいなんて…いいでしょう!私が…ヒナちゃんが一緒に居てあげましょう!」


腰に手をあて、喜びを噛み締め胸をはるBさん


「あ…クライアントの前で名前を使うのはダメでしょ!」

「…しまった。まあ、陸太さんだし…大丈夫じゃない?」

「上層部から、『つきまとい・カスタマーハラスメント・プライバシー保護』の対策として規定が出ているのわかってるでしょ?」

「う、うん…」

「…まあ、私だってこんなよくわからない『チャーリー』って名乗ったり、『ブラボー』とか呼んだりするの本当は恥ずかしくていやだけど…」

「でしょ!でしょ!ほんと上の人って現場の事わかってないし、センスないよねー!」

「それとこれとは別だから。他では気をつけてよね。今回は海部さんだから…私も、大丈夫だとは思うけど」


(…この2人…相当、不満溜まってるな…)


そんな2人の会話を聞いていて、僕は少し気になったことがあった


「ところで、今話してたんだけど…お二人は『シー子さん』と『Bさん』じゃないのかな?」


3人の時間が少し止まった。


「だから、違うって何度も言ってるでしょ!」

「アハハ!そうそう!あんな変な名前なわけないよー!あたしが『ヒナ』でこっちが『シズカ』ね!」

「ちょっと!何、自己紹介してるの!」


(なるほど!こっちのBさんが「ひな」。お雛様みたいな名前だな。それといつも良くしてくれる、この人が「し……」…何じゃったかな?…ええっと…思い出した「しー子さん」だな)


「あいあい。わかりましたよ。おひなさんに、しー子さんだね」

「違うわよ!シズカ!シズカよ!」

「…」

「…」

「うん、うん。わかってますよ。しー子さん」

「だから違うって!」

「うん。うん。」

「…もう、いいわ。好きにして下さい」

「アハハハハ!陸太さんおもしろい!おなか痛いぃ!」

「面白くない!」

笑うおひなさんに、怒るしー子さん。

僕は何がおかしくて、なぜしー子さんが怒っているのかよくわからない。だけど


(この2人仲良いんだな)


と、ほほえましく思った――


「…ていうか、シズカがクライアントのこと『さん』って呼ぶの珍しいね。」

「え?」

(確かに、いつのまにか海部様から海部さんになっていた。いつからだろう?)


シズカはぼんやりと記憶をさぐる。


「まあ、前回の件でバタバタした時に何となくこんな感じになったかしら?」

「ふーん…仲良くなったんだね!」

「仲良くなるとかそんなんじゃないから!これは仕事で…まあ、実家のおじいちゃんみたいな感じだけど…」


そんなやりとりをした後、本題に入ったーー

・

・

・

タブレットで僕の情報を開き、3人で覗き込んだ。


そこにはーー


個体名:海部陸太

種族名:--(魂魄体)

メインスキル:不屈の心

定着スキル:変身Lv.10

     侵食Lv.10

・

・

・

・

・



タブレットを操作しようとするがなかなか進まない。

「…やっぱり動作重いわね」

「うーん。多分、普通なら2つしかスキルないから、処理が遅くなってるのかな?」

「そうなの?」

「うん。それとバックグラウンドで、他の人の情報開いてたら消した方がいいよ?」

「…」

「貸して」


おひなさんが、しー子さんからタブレットをとりあげ少し操作した。


「ほんとね。少し早くなったわね。助かったわ」

「いえいえ。この程度ならあたしに任せなさい!」


(意外と、システム関係はおひなさんの方が詳しいのか?)


などと僕は2人のやりとりを観察していた。


その後、スクロールを進め、下までスキルを確認した。

確認した内容は以下の通りだった


個体名:海部陸太

種族名:--(魂魄体)

メインスキル:不屈の心

定着スキル:変身Lv.10

     侵食Lv.10

     思念因子Lv.10

     砂操作Lv.10

     走電性Lv.10

     環境耐性Lv.10

     巨大化Lv.10

     物理耐性Lv.10

     状態異常耐性Lv.10

     粘菌Lv.10

     共生Lv.10

サブスキル:自己再生Lv.10


しー子さんが、頭を抱えている。

「す、すごい量ですね…それで、海部さん。先ほどのスキル定着って何だったんですか?タブレットには載っていない情報ですが…」

「ああ、それね。今は名前が【不屈の心】に変わったから…まだあるかわからないけど…」

といいながら、僕は手慣れた様子でステータス画面を開いて


ぽん!


と、【不屈の心】をタッチした。

そして僕のステータス画面にはこう書かれていた。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


エピックスキル【不屈の心】

【折れない心】を獲得した状態で、同一種族への転生を1000回達成した場合に進化取得可能。

効果:精神耐性、精神攻撃無効、記憶保持、スキル定着・改、試行錯誤、神格魂魄候補


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「あった、あった。ここに書いてるでしょ!はて?スキル定着に『改』ってついてるけど何か変わったのかな?」


ぽち


っとスキル定着改の項目に触れる


「なになに?」


と、胸ポケットから遠近両用メガネを取り出し、少しずらして下を見るように文字を読んだ


「ふむ、サブスキルを覚える時にスロットを空けて、今あるスキルは定着スキルに。新しいスキルをサブスキルにする。うん、ここまでは前と一緒だ。…それと?なになに?…レベルが上限になったスキル同士を合成して?上位のスキルに変えることができる…とな?」

「…」

「大丈夫かな?くたびれとりゃせんかな?」

「…『大丈夫かな?』…じゃないですよ。何ですか?ステータス画面開いただけでも驚きなのに。スキルの詳細まで…転生省でもスキルの詳細なんて誰も知らないんですよ」


ぼーっとして話を聞いていたかと思ったしー子さんは、今にも泣き出しそうな表情になっていた。


(あっ…お目目が真っ赤だ!)


僕は昔CMで聞いたフレーズを思い出した。


「どうしたらいいんですか…もうこれ、転生省の認識変わっちゃいますよ。それにスキルを上位スキルに変えるって…無茶苦茶じゃないですか…」

「うぉぉお!ほんとだぁぁ!私のスキルの詳細見えるぅ!」

「そこぉ!自分のスキル確認しない!!」

「アハハ…ついつい…でもほんとに目からウロコだね!」

「もう、本当に嫌だ。海部さん…こんな大量のスキルやスキルの詳細を確認できたり。転生省がパニックになりかねませんよ。…こんなすごいエピックスキルまで…異常すぎるんですよ。」


「誰も知らない」「大量」「すごい」さらには「異常」

その言葉に、僕はこう思ったーー


(何か得したな。あれだあれ!焼き肉の帰りのレジだ。よくわからないガムじゃなくて、ぽこちゃんキャンディーだった時くらい得したな。)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。