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怪しき者

………一人見たことのない侍女がいる。


それに気づいたのは本当に最近のことだ。


お城、ということで侍女は本当に多い。


が、前世で人に恨まれる………特に男関係で女から恨まれることの多かった私はいざこざを避けるために侍女の顔を覚えていた。


「竹千代君はお元気ですかな?」


「はい。

先程酒井さまも訪れましたがいたってお元気でございます」


傍で竹千代の乳母と後見人とやらになった石川数正の声を聞き流す。


………余談だが、この数正はよほど竹千代が可愛いらしい。


毎日のように………後見人だから当たり前なんだけど、暇さえあれば顔をだす。


そんなにこなくてもまだ竹千代は動けもしないのに。


「………酒井もよほど竹千代君の後見人になれなかったのが悔しいのですな」


嬉しそうな数正をよそに、竹千代はすっかり岡崎のアイドルとなってしまった。


元康様はもちろん、ご母堂様も竹千代をよく見に来ては玩具を置いていくし、数正を始め酒井忠次や傅役の榊原清政といった面々もよく来る。


これでは竹千代が我が儘にならないか今から心配である。


「それにしても奥方様。

………義元さまが亡くなられて悔やまれますな」


「………そうですね」


今川義元が亡くなった。


桶狭間の戦いでではなく、普通の病気。


「まぁ、竹千代をよろしくお願いいたします」


「この数正、命にかけてもお守りいまします‼」


竹千代はここにいたら安心。


………………まずは、私があの侍女の正体を突き止めないとね。

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