姉妹みたいな一時を(ひばり編 その2)
「~♪」
「ご機嫌だね、裕香ちゃん」
「うん。考えてみたら私って、ひばり姉ちゃんに甘えてばっかりだったから、こうして何かしてあげる事って、全然なかったなあって」
所は、ひばりの寮室。
そこで現在、裕香が鼻歌を歌いながらひばりの髪に櫛を掛け、現在両サイドの三つ編みに結っていた。
「上手だね?」
「うん、友達と髪を結いっこしたりして、練習してるもん」
「初等部でうまくやってるみたいだね?」
「勿論♪ ――はい、出来た」
リボンで髪を留めて、裕香は一仕事終えた様ににこやかな笑みを浮かべる。
ひばりは鏡に映っている自分を見て、一言。
「なんだか、新鮮な気分かな?」
「よかった♪ ひばり姉ちゃんの髪綺麗だから、もっと似合う髪型調べて練習するね」
「ありがとう」
「それにお化粧も。この前ユウ兄ちゃんに買って貰ったばかりだから、まだ練習中だけどいつかやってあげるね?」
「お化粧は良いよ。食べ物を扱うお仕事してるから、そう言うのはダメだよ」
「そうなの? 残念」
分野こそ違えど、裕香は楽しそうにしてるのがひばりにはわかった。
それこそ、自分にとっての料理の様に――
「楽しそうだね?」
「うん、楽しい。私ユウ兄ちゃんと違って、成績は普通で運動音痴だし、それ以外でもぱっとしないけど、こういうのは得意で好きになれそうだから」
「だったら応援するから、頑張ってね」
「うん! 頑張っていつか、宇佐美ちゃんのメイクをやってみたい」
「そう言えば裕香ちゃんって、宇佐美ちゃんのファンだったよね?」
「うん。この前紹介して貰って、握手とサインして貰ったよ」
「ふーん――ねえ、裕香ちゃん。宇佐美ちゃんを、お姉ちゃんに欲しいとかは?」
「え? ――どうかな? なってくれたら嬉しいけど、宇佐美ちゃんに雇われてからユウ兄ちゃんのほっぺた、手形ついてる事が多いから」
「……容易に想像できるのが怖いよ」
ピンポーン!
「あっ、ユウさん迎えに来たみたいだよ?」
「はーい」
チャイムが鳴って、寮の玄関にてひばりは裕香を伴い出向くと――
「お待たせ。裕香、ひばりとは楽しめたか?」
「「…………」」
右の頬にビンタ痕がくっきりと残ってる裕樹が居た。
「ね?」
「……そうだね」




