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40話 ド修羅場譚 一部 完


壁の上で8万を超える大軍勢を前に

この世界の制服姿の女子高生ツバメは研ぎ澄ましていた


「策はあるんですか? ツバメ様?」


「無い!! 無くてもなんとかなるのがチートスキルだから」


ツバメが軍団から目を離さなかった理由は 先頭に居てもおかしくない人物が見当たらないからだ


「ゲンブラーは小国にいるか このライブトゥギャザー王国に潜んでいるか……」


「っ…… やはりサンダーライガーを残してきて正解でしたね」


「ここは私に任せてアタランテさんはゲンブラーを探してきて下さい」


「……ツバメ様のその自信はどこから来るのですか?」


「別に無いよ!! 心に余裕を保つのは田舎JKの特権

都会と違って限られた自然セカイの中で楽しむ強さは誰にも負けないからね」


「??」


「ほら行った行った!!」


「は…… はい!!」


ツバメは壁の外へと足を踏み出す

彼女の通るところには壁から伸びた階段が錬成され

地面へと足を着ける その無謀であり勇敢とも讃えよう一人の戦士が降り立った


「さぁて…… 土壇場の修羅場こそ 私の独壇場よ!!」


ーーそう思い出させてくれたコンちゃんとチワワに感謝だね

まさか…… まだ私を覚えててくれてたなんて……




彼女の名前は土反場乙ドタンバ・ツバメ

どこにでもいる中二病を自覚していない高校生だ

コニャックという幼女に求婚を迫られながらも 今日まで華麗な神回避を繰り広げてきたが

果たしてこの先には待つのはただのラブコメかそれとも


ドヴェルグ学園内部の花で覆い尽くされた部屋にて

一人本を読みながら椅子を揺らす小さな妖精は詠う




〝 アスラ・ド・シュラバー 〟


かつて上位の神々に醜いと嫌われウジ虫とまで蔑まれた始祖ドヴェルグに

己の存在価値ジンケンを認めさせた旅人が現れたらしい

その者 別の世界より渡ってきた部外者だと称し

史実には名前しか残さなかった謎の女人

〝高度な鍛冶と工芸技術〟という功績を偉大な形象として認識させ

自分というものに自信溢れる人の肉体と知恵を神より与えられた

そしてドヴェルグとアスラは互いに人間として恋をすることが叶ったのだ



この不確かな歴史に確証はありません

もしかしたらこの伝説は…… 〝現在〟なのかもしれませんね 〟





ピグミス領跡地 美人局保留寮ワイフガーデン

支度して出て行く包帯をまとう女性は慌てて北へと向かった


「ハァ…… ハァ…… ツバメ!!」


先ほど一頭の馬が走り去るのを横目で視認したマミーは

気がきではない程 取り乱していた


「あなたにはもう…… 辛い思いをさせたくないの」



ーー私の〝大事な娘〟だから



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