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今の親子

5・6話を少し改訂しています。

かいつまんで説明すると、「姉妹バラバラに行動しなければならない」が理由として弱かったので、「一緒に行動し、反乱を止める」という方向に変更しております。


また、一応『ガールズラブ』のタグを入れていたのですが、ちょっとこじれた姉妹愛と、友情程度に終わりそうで、期待を裏切ると申し訳ないのでタグを外しております。大いに期待されていた方が万が一いらっしゃったらすみません。

「久しぶり……コルネリア」

「お久しぶりです……お姉さま」


アンジェリカが王立学園に入学、コルネリアが他国に留学したことで姉妹が会うのは久しぶりのことであった。

アンジェリカが駆け寄り、コルネリアを抱きしめようとする。が、すんでのところでコルネリアが躱す。アンジェリカは少し目を見開いたものの、再び両腕を広げてコルネリアの元に向かう。コルネリアはその腕を掴んで両手での握手に切り替える。


「あははは、どうしたんだ? コルネリア。ちょっと見ない間に大人になったのかな。昔みたいに抱きしめさせてくれないのかい?」

「お姉さま。ここは人の往来もあります。私ももう大人のレディです。おやめになってくださいな」


にこやかに笑いあう二人だが、取り合う手から腕にかけてぷるぷると震えている。


「ちょっと……ほんとにやめてって」

「なんでよ、ねえちゃん……別に減るもんじゃなし。そこまで言われたら逆にしたくなるし」


表情を変えず小声で会話をする二人。少し離れたところでは、両親がにこにこと姉妹の再会を見つめている。両親に知られぬよう会話を繰り広げる二人だったが、互いに知られぬようにも会話を繰り広げていた。


(え? 何!? アンジェリカお姉さま、何? 一年でこんなに美人が進化するの? あれが最終進化形じゃなかったの? 無理無理無理、こんな美人に抱きつかれたら死ぬから反乱軍の前にお姉さまに殺されるから!)

(なんで? なんでこんなにコルネリアがかわいくなってるのカナ? かわいくなりすぎじゃない? 恋? 恋とかした? 他国で。前世でも恋愛なんてしてなかったねえちゃんが恋したらそれはめちゃくちゃ変化するはず。え? 嘘? 嘘だよね? マーキングしておかないと、あたしの匂いこすりつけとかないと。抱きしめたらあたし幸せ過ぎて死ぬかもだけど、このままでもあたし死にたくなる……!)


会えなかった期間が二人のシスコンを究極に拗らせた。

隙を伺おうと、手を取り合いながら、右へ左へ動き、最終的にぐるぐると回り始めた姉妹を見てやはり両親はにこにこしていた。

そして、二人は。


(あはははは。あれ? これはこれで……)

(たのしい~! ねえちゃ~ん! ねえちゃんねえちゃんねえちゃ~ん)


そして、二人のシスコン拗らせが上がり過ぎたテンションで高速回転を始めた頃、ようやく慌てて両親と家の者が止めに入った。使用人の何人かはその時の記憶がなく、ただ体と頭の痛みだけは覚えていると語った。


二人が高揚しているのは勿論久々の再会もあったが、やはり、今日この日がアンジェリカ・コルネリア姉妹の生死を決める日であるからに他ならなかった。


今日、平民が徒党を組み、反乱を起こす。

アンジェリカの前世、杏奈がやっていた乙女ゲームの設定では、妹コルネリアが姉妹の家、エシャロット家に恨みを持つ平民に殺され、アンジェリカの心は壊れ、平民を憎むようになる。そして、その行き過ぎた思いがアンジェリカの破滅に繋がってしまう。


回避する方法は、今日この日、『コルネリアの死を回避させ、反乱を終わらせること』。


書かれていた設定には、何時かは書かれていなかった。

しかし、コルネリアには予想がついていた。


「お姉さま……恐らく、あと少しで」

「分かってる。準備はしてきた」

「では、あとは手紙でやりとりした通りに」

「うん」


コルネリアは、三か月ほど前に留学から帰ってきた。

そして、その後は、自身で作った伝手を使い、平民達、特に反乱の気配がありそうなところを徹底的に調べた。そして、その結果、反乱軍の決起時間等詳細を知ることが出来た。

本当は、反乱そのものを事前に中止させられればよかったのだが、調べているうちに、これはただの平民の反乱ではなく、後ろに大きな黒幕がいることが分かってきた。

恐らく、王国の中心部に関わる人間。


そこに触れれば、間違いなく権力争いに巻き込まれる。それはコルネリアも避けたい。

姉妹は自分たちと家がまず無事であることが前提であった。

だから、この『平民が起こした反乱』をまずは止める。

あとは、国の仕事となるだろう。


そうコルネリアが考えていると、どこかから爆発魔法の音が聞こえる。


「コルネリア」

「お姉さま、始まったようですね」


二人は頷きあうと、両親たちの方を向き


「お父様! お母様! 何かが起きているようです! 私はコルネリアと共に今の爆発音があった場所を見てきます! みんなはどこか遠くまで離れて警戒していてください」

「し、しかし、コルネリアも、行くのか?」

「大丈夫よ。お父様、私の魔法は一流だって先生にも褒められたから。……それより、お母様を守ってあげて」


母は涙を浮かべてこっちを見ている。けれど、何も言わない。彼女は自分の娘たちを信じると決めたようだ。震える手を握りしめ胸を軽く叩き、姉妹に向かって頷いた。

コルネリアはふんわりと笑うと、こっちを見て微笑んでいるアンジェリカと目を合わせ、爆発のした方へと駆け出して行った。


「アンジェリカ! コルネリア! 私は逃げて逃げてここまでの地位に上り詰めた! 逃げることも大切だ! 命は一番大切だ! 覚えておいてくれ!」


姉妹は『こっちの世界でも親には恵まれたな』と父の言葉に背を押されながら、走った。


乙女ゲームの中では描かれなかった物語。

アンジェリカとコルネリアの戦いが始まる。

お読みくださりありがとうございます。

楽しいだけで書いています! が、もし同じように楽しんでいただけているならば、嬉しいです!

今日で終わらせます!多分!!


また、ブックマーク登録や評価してくださった方ありがとうございます。

少しでも面白い、続きが気になると思って頂けたなら有難いです……。

よければ、☆評価もしていただけるとなお有難いです……。

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