つまずきたい小石になるための入門書
課題で描いた作品。テーマは私だけが知っている、私のつまずき。
ここのところ疲れている。目にはクマを、歯には歯ぎしりを。正確には目元かな。相当疲弊しきっている。疲労成分の内訳、サークルの練習七割、授業三割、すでに一という整数だけれども睡眠不足が期間限定増量の五割。発表会が迫り、日夜授業の合間を縫って、学校が閉まる十一時まで練習する。帰宅し、お布団の心地よさに包まれるまでには日付変わり、午前一時、二時。そして一限へ。
最近気づいたのは、疲労状態では生来の、やや人並劣る私の人情や優しさが更なる減少をみせるということ。ああ、素晴らしき友情愛情人情の世界を踏みにじる疲労。これはいかん。世間も疲れているようだ、この世界に寛容の僅かなこと、日々増しに増している。私の悲哀も五割増し。ブラック企業の勤務体制、疲労というチリも積もれば、チリ取りで。ダイソンでもいいか、お得意の吸引力でお願いします。
ただ、どうしても休めない場合がある。どうやって人間性を保とうか、私は苦悩するわけだが、その苦悩に使うエネルギーですら節約したい。惜しみなく、私はそのエネルギーを使った。帰り道、頭を抱えて考えた。おっと、危ない。手ごろな小さな石につまずくところであった。しゃがんで石を手に取って観察してみる。うむ、つまずきやすそうな石だ。小石ではあるが道路をつかんで離さないような角ばった突起が四つばかりある。眺めていると思いついた。逆にその毒舌や性格の悪さをある種の変身みたいに、キャラ付してしまってみんなに受け入れてもらえばいいんじゃね。人間関係につまずきとなるような感情も信頼によって受け止めてもらおう。かたいいしのような頑固さもみんなからの許容の範囲内に抑えて、受け入れてもらおう。それも私の一部だし。
一人で納得した私は思いっきり石を蹴とばした。




