守りたい
回想
シノブ side
私はガリンとの戦いの後、一週間ログインしなかった。
(正しかったのはガリンだった…。
私は[両翼の天使]に良いように使われていただけだった…。
ガリンは知っていた。私がどういう状況なのか…。
知っていてなお私に教えていなかったのは私を傷つけないようにしたのだろう…。
私が傷つかなければ自分は悪人で良いという彼の気持ちが解る。
それゆえに…。私はログインできなかった。罪悪感で…)
そんな私に彼からのメッセージが届いた。
ガリン<久々だね。心配してたよ。少し話しできるかな?>シノブ
普段と全く変わらない、彼の口調。
シノブ<なんで…>ガリン
私にはそんな彼に怒りすら思った。
シノブ<なんで、そんなに平然としゃべりかけれるの!>ガリン
ガリン<決まっている。俺はお前の友達…。あ、俺だけかもなそう思ってるのは。まぁ、友達なら話しかけれるだろ?>シノブ
シノブ<だから、自分は悪人で私は傷つけずにいようって決心したの!?>ガリン
ガリン<決心なんてしてないよ。元々俺は悪人だ。人を騙し、大切な居場所を壊す。自分が正しいと勘違いしている悪人だ>シノブ
シノブ<…。本当、悪人だね…>ガリン
なんだかばかばかしくなってきた。
ガリン<悪魔って呼ばれるからな>シノブ
シノブ<じゃ、悪魔さん。どこで話しをするのかな?>ガリン
ガリンが指定した場所は私とガリンが出会った場所だった。
行って見るとガリンは座っていた。
ガリン「横、どぞ」
私はガリンの言うように隣に座る。
シノブ「何かのいやみかなって思ったよ。こんなとこに呼ぶなんて」
ガリン「良い景色だろ?仲間のお気に入りの場所なんだ」
その場所から見た景色は綺麗だった。
シノブ「綺麗だね…」
ガリン「あぁ。この世界は闇ばかりだ。でも、綺麗な物はちゃんとある。それを大事にしないといけないな…」
シノブ「っで、話ってなに?」
何時までたっても、本題に入らないのでそう切り出した。
ガリン「あぁ、そうだな。実は、来週の日曜日、再び[神滅]と[両翼の天使]が戦う。その時に来て欲しい」
シノブ「なんで?なんで、私を呼ぶの?」
ガリン「決着つけたいだろ?自分の過去と」
シノブ「ガリン…」
(この人は他人のことを考えてきているんだろうなって思ってしまった)
クロウ「ガリン!見つけたぞ!」
その時、後ろからガリンを呼ぶ声がした。
ガリン「ちょ!クロウ、休憩時間まだ終わってないって!?」
クロウ「つべこべ言うな!強制連行!」
小坂「了解ー」
後ろには二人いて一人が強制連行というともう一人がワープアイテムでガリンと自分達を飛ばした。
残った私は何が起こったのかわからなかった。
美羽「ごめんね。あの二人、勝手に動いちゃってね…」
さらにその後ろから女の人が現れた。
シノブ「…?」
美羽「最初から最後まで見てるだけだったんだけどね」
(最初からって…)
なんだか恥ずかしくなってきた。
シノブ「あの、あなた達も[神滅]なんですよね?」
美羽「えぇ、[神滅]よ」
簡単に彼女は答えた。
シノブ「どうして、どうして[神滅]に入ったんですか?」
美羽「入ったというより…。私とガリン…そして闇が作り出したって言っても良いよ…」
シノブ「作り出した…?」
(そういえば、前にガリンは闇を知っているとは言っていたが…もしかして…)
美羽「聞いてないのかな?ガリンは昔、闇ギルドで利用されていた」
(!?)
美羽「信じれないかもしれないけど。事実、私は自分でそのギルドを潰そうとしたの。それをガリンが止め。ガリンがギルドを潰すと言った…。それを私達ギルド員が手伝った。これが[神滅]の昔だよ」
(信じれない。なぜそこまでするのか…)
美羽「あ、そうそう、日曜日の話だけど。ガリンは前の試合で勝ててたけどそれを勝たずに13対1で決闘をするって言い出したんだ」
シノブ「え?」
(何を言ってるんだ?勝てる試合を捨てて13対1?)
シノブ「あなた達は?あなた達は出ないですか?それとも[神滅]が13人…?」
美羽「いいえ、出ないわ。それに一人ってガリンのことよ」
(おかしい…。勝てるなら勝ってれば良いのに…。どうしてこんな試合を申し込んだんだろう…)
美羽「試合の条件として前の試合に出場した。人しか出れないの…」
(なぜそんな条件を…)
そんなことを考えていた時あの一言を思い出す。
『決着つけたいだろ?自分の過去と』
(まさか…。また、私のため?)
美羽「どうか、ガリンを救ってやって…」
そう言って彼女はどこかに言った。
残された私は狩場に出て力を求めた…。
(守られるだけじゃ嫌…。私も守る…。誰かの為に力をつけたい!)
狩場にてひたすらにモンスターを倒し続ける。
決心が揺らぐかもしれないっと言うことでガリンからささやきが来ないように設定をした。
私は、守られているだけじゃ嫌だ…・
side END
次回も回想行きます。