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寺の坊主の召喚魔術  作者: Suzurann
第一章 仏教魔術
14/19

第一期--No.14 松山城~新 防御魔術~

手裏剣を使う新たな3人の敵。


彼らは華麗に召喚魔獣の攻撃をかわして、手裏剣を四方八方から投げてくる。


手裏剣の攻撃により、祥雲の座禅も封じられてしまった。



「何度攻撃してもかわされてしまう。

沙羅の防御魔術で手裏剣からは守っているものの、このままでは僕たちの召喚魔獣も底をつきてしまう。」


11個あった数珠の輝きは7個に減っていた。

数分間攻撃をかわされると召喚魔獣は消えてしまった。


その事に彼らが気づくと戦いは長期戦に持ちこまれた。


時間が経つにつれて僕たちの動きは鈍りはじめた。

しかし、敵の動きは鈍る気配すら見えない。


「こいつら、どうなってるんだ。」


「よく見て。あいつら自分たちの投げた手裏剣を拾って投げてる。」


確かに、壁に刺さった手裏剣を抜き、投げている。

だが、動きに無駄がない。


「どうりで、手裏剣が無くならないわけだ。」


「なら、壁の手裏剣をとっちまえばどうだ?」


「こんな数の手裏剣を・・・

いくらなんでも無茶だ。」


「わからないだろ。」


「待て!

圭秀、フォーメーションを崩すな!!」


圭秀が離れたそのときだった。

3人の敵が圭秀を囲んだ。


ーー「隙アリ!!」


3方向から手裏剣が圭秀に向かって放たれた。

軌道は、ずれるはずもなく、3つの手裏剣が正確な軌道で圭秀を襲う。


「駄目だ・・・

間に合わない!・・・」


「・・・嫌だよ・・ダメ!!!」


沙羅が叫んだ。


「圭秀!!」

そのとき、沙羅の数珠が輝きだした。


ーーーーーー「法華三部経 改 」ーーーーーー


圭秀のまわりに厚いバリアが現れた。


そのバリアが3方向からの手裏剣を全て弾き返した。

ドーム型に圭秀をおおっている。


ーー「なんだと?!」


「新しい防御魔術だ。

今までの法華三部経よりもはるかにパワーアップしている。」


今までは、薄いバリアが前方にだけ現れ、盾のようにしか使えなかった。

しかし、新たな魔術はドーム状にバリアを張ることで後ろからの攻撃にも対応していた。

360度死角はない。


「助かったよ、沙羅。ありがとう。」


「全く、心配をかけやがって。

だが、この防御魔術はこの相手にはもってこいの魔術だ。」


「ええ、このバリアで祥雲を守れば・・・」


「よし、やってみてくれ。」


ーーーーーー「法華三部経」ーーーーーー


祥雲はドーム状のバリアにおおわれた。


ーー「くそ!」

敵は続けて祥雲に向かって、手裏剣を投げてきた。


しかし、手裏剣は無惨に跳ね返された。


「これならば、安心して座禅を組むことができる。」

祥雲は座り込んだ。


「よし、あと一踏ん張りだ。」


ーーーーーー「南無阿弥陀仏」ーーーーーー


僕は、召喚魔術を唱えた。


「祥雲は沙羅のバリアがあるから安心できる。

ならば、そのバリアを作る沙羅に少し隙が生じる。

その沙羅を守るのが、僕の役目だ。」


僕は敵の煩悩を感じ取りながら、召喚魔獣を操った。

敵に近づかせないように、攻撃を繰り返しながら、飛んでくる手裏剣をかわした。


数珠の輝きはあと6個にまで減っていた。



「よし、もういいぞ。圭秀!

あとは下がってくれ。」


祥雲のまわりに結界ができた。

すると、敵の動きが止まる。


「行くぞ!!」

結界から召喚魔獣が現れ、敵の煩悩を狩りとった。


煩悩を結界に封印すると、3人の敵はその場に倒れ込んだ。


「ふぅ・・・」

僕は、額から流れる汗をふいた。


「圭秀、すまないな、無理をさせてしまって。」


「いやいや、なんともないって。」


「なんともないじゃないわよ。

私が守ってなかったら、今ごろあんたは極楽浄土よ。」


「お前に浄土とか言われると、リアルなんだけど・・・」


「冗談よ。

あんたのおかげで、新しい防御魔術も習得できたし、敵も倒せたんだから。」


沙羅は、僕に笑いかけてくれた。



「・・・召喚魔術は心から人を本当に守りたいと思ったときに、新たな力を呼び覚ますのだ。

いいコンビじゃないか、あの2人。」


祥雲は2人に聞こえないように呟いた。



城の最上階は目の前だった。

僕たちは最後の階段に足をかけた。

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