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僕の初恋  作者: HELIOS
9/9

少年は夢を叶えた

あの車はずっと僕の憧れだった


あの車に出会わなければ、僕はもっとつまらない人生を送っていたのかもしれない


10歳の僕の目の前に、不意に現れたあの車は僕の世界を変えてくれた


あの車に乗る事が僕の夢だった



あれから17年・・・


僕の恋焦がれた憧れの車が目の前にある・・・・・


ガングレーメタリックのR32GT-R・・・・・


そして僕の右手にはチタン製のキーが握られている・・・


僕はドアの鍵を開けバケットシートに身体を滑り込ませる・・・・・・


そしてキーシリンダーにキーを差込み、セルを回す・・・・・・・・・


ゆっくりとエンジンが始動する・・・・・・


この車だけが持つエンジン音・・・・


世界中を探してもこの車にしかない音・・・・・・



僕は、ゆっくりとGT-Rを動かす・・・・・・







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


家に帰った僕に、妻は話しかけた


「どう?初恋の相手は?」

「うん・・・なんか・・・感動してる」

「そう、にしても車が初恋って何か変ね」

「そうかもね・・・」

「ねぇ、なんであの車に恋しちゃったの?」

「長くなるよ?」

「妻としては旦那の初恋が気になるの」

「あれは・・・僕が10歳の時・・・・・・・・」


僕は妻にGT-Rを始めて目にした時の話しをした。

恥ずかしくて誰にも離したことの無い話を、妻は黙って聞いていてくれた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



その後のことを少し


息子もGT-Rを気に入ってくれたみたいで、いつもGT-Rのミニカーで遊ぶようになった。

たまに仕事が早く終わった時とか、妻と幼稚園にGT-Rで迎えに行って、そのままドライブをするのが息子の楽しみになったみたいだ。


そういえばこの前、3人で買い物に行った時、駐車場でGT-Rを見ていたおじさんに話しかけられた。

「この車、大事に乗られているんですね」


「はい、僕の宝物ですから」


「そうですか・・・これからも大事にしてやってください・・・」


「はい・・・」


おじさんはもう居なくなっていた。

息子と手を繋いだ妻が不思議そうに僕に言う。


「さっきの人なんだったんだろうね?」


「・・・・・・・さぁ・・・」


僕らはGT-Rに乗り家路に付いた






ずっと大事にしますから・・・・・・安心してください・・・




貴方の分まで大事にしますから・・・・・・・・・・・

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