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第1話 どうしたの? なにかわたしにくれるの?

 白い花のお姫さまのかいとお付きの三人の聖騎士の少女たち。


 どうしたの? なにかわたしにくれるの?


 美しい白いお城。


 真っ白な大きな大きな謁見の間にある王家の椅子に座っているお姫さまのかいはまるでお人形のように顔と体を動かさないでじっとしていた。

 大きな金色の瞳に白金色の長い髪をしている真っ白な顔と体の頭の上にきらきらと輝く小さな王冠をのせている、真っ白な白い花のようなドレスを着ている美しいお姫さま。

 かいは本当に綺麗で、本物のお人形のようだった。

 かいはその美しい顔を隠すようにして、薄いヴェールのようなものをつけていた。(それはいつものことで、王家のものはみんなその顔を公の場所では隠していた)

 謁見の間では、たくさんの人たちがいて、大切な議会が続いている。

 いつも通りの謁見の間の風景だった。

 でも、実は今ここにいて王家の椅子に座っているのは、『本物のお姫さまのかい』ではなかった。

 かいにとてもよく似ているけいという名前のかいの(正式に王家によって役割が与えられている)偽物の少女だったのだ。

 かいさまー。もう本当にどこに行ってしまったのですか。

 ううー。かいさまを演じると言っても限界がありますよー。(もうとっくに限界を過ぎてますよー。ばれちゃいますよー)

 はやく帰ってきてくださいー。

 もう私は泣いちゃいますよー。

 お人形のような美しい顔の後ろで、迷子の小さな女の子みたいな泣き顔をしながら、そんなことをけいは思っていた。

 では、本物のかいはどこにいるのかというとお城の外にいた。

 三人のお付きの聖騎士たちと一緒に深い森の中の道を歩いている。

 かいはいつもの白い花の咲いたようなお姫さまのドレスではなくて、『冒険者の服』を着ていた。

 冒険者の服といってもとても上品で高価な金の飾りのついている真っ白な色の服だった。

 手と足を大胆に出していて、(普段のお姫さまのかいではありえないことだった)翼の模様のある白いローブを羽織っている。(かいはなんだかとっても楽しそうだった。お城の外に出るのは、本当に久しぶりのことだったから)

「ねえ。かいさま。もうお城に戻りましょう。きっと、とってもいっぱい怒られますよ」

 そんな情けない声で(なんだかとっても嫌そうな顔をしている)亜麻色の長い髪をしたかいと同い年の白と赤の鎧を着ている聖剣騎士の少女りゅーは言った。

「そうですよ。お城に帰りましょうよ。いまならまだ怒られなくてすみますよ(まあ、たぶん無理ですけど)」

 黒髪の長い髪をしたかいよりも少しお姉さんの白と青の鎧を着ている聖槍騎士のすのーが言った。

「そうです。そうです。ね。帰りましょう。かいさま。いまならきっとみんな許してくれますよ(本当はもう許してくれないと思いますけど)」

 金色の長い髪をしているかいよりも少し年が下の白と黄色の鎧を着ている聖弓騎士のにけが言った。

「帰らないわ。(せっかくお城の外に出られたばかりなのに)そんなに帰りたいのならあなたたちだけでお城に帰りなさい。怒らないから」

 かいは立ち止まると、みんなを見てそう言って、それからまた前を向いて歩き始める。

 もちろん、お姫さまのかいを残して自分たちだけでお城に帰るわけにはいかないので、三人はお互いの顔を見て、はぁー、と大きなため息をついてから、かいのあとについて一緒に歩いて行った。(本当に帰ったら絶対に怒るだろうし)

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