表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
石の剣の王3 集結  作者: 水崎芳
第三章 アザミを植えよ!
PR
3/15

第三章 アザミを植えよ!

第三章 アザミを植えよ! をお届け致します。

奇妙なサブタイですが、お読み頂けますと意味はわかるかと(笑)

最後まで読んで頂けますと嬉しいです。

    第三章 アザミを植えよ!


 いつもにも増して美しく華やかに着飾った五人の側仕えの女官たちを従えたレクサが姿を現わすと、それまで流れていた音楽がぴたりとやんだ。

 楽器を抱えた楽団の者たちや美声を披露していた二人の男女の歌い手、そして華奢な椅子に腰かけて妙なる調べに聞き惚れていた貴族たちが皆一斉に立ち上がり、レクサに恭しく頭を垂れる。

 芝生の上に据えられた溢れんばかりの料理が並ぶテーブルの周囲にいた貴族や、葡萄酒(ワイン)や色とりどりの果実酒(リキュール)のグラスを銀の盆に乗せて貴族たちの間を周回していた王宮侍従たちも、レクサの登場に気付くとその場で腰を屈め、深々と一礼した。

 レクサが歩を進める毎に、まるで目に見えない手でかき分けられるかのように頭を垂れた姿勢のまま着飾った紳士淑女たちが左右に退いていく。

 その間を抜け、レクサは一角にしつらわれた深紅と黄金色の天蓋付きの壇へと堂々とした歩調で進んだ。

 レクサが唯一頭を垂れる人物。

 父・聖王ウィーアードのもとへ。

 久し振りにまともに顔を見たウィーアードは、レクサの記憶よりもさらに老け込んでいた。生気がまるでなく、顔は土気色、頬はげっそりとこけており、目も虚ろだ。王族らしく毅然と背筋を伸ばす事もなく、玉座の背もたれと肘掛けに怠惰に身を預けている。

 疲れ果てた老人のように。

 頭に頂く王冠も、金銀宝玉で飾り立てた煌びやかな衣装も、どこか空々しい。

 レクサは紅を引いた唇をきゅっと引き結ぶと、内心の動揺と失意を表情に出さぬよう注意しながら一礼した。

 ウィーアードは丁寧に頭を下げた一人娘を虚ろな目で見下ろした。

「…………本当に来たのだな」

 ひどくしゃがれた声だった。おそらく度を超す酒量のせいだろう。以前、レクサはワーテワンから「最近の陛下は少々お酒を召される量が増えておられる」と聞いた事がある。

 ウィーアードのこの有様を見るに、ワーテワンの表現はかなり控えめだったようだ。

「プルーデンスはそなたも来ると言ったが、わしは本気にしなかった」

 ウィーアードは、他の貴族たちと同じように壇の下で恭しくレクサに頭を下げているプルーデンスに目を向けた。

「許せ」

 プルーデンスは顔を上げると、艶やかに微笑んだ。

「もちろんでございます、陛下」

 それから、プルーデンスはレクサの胸元を飾る首飾りに気付くと、わずかに目をみひらいた。

「レクサ様、その首飾りは………」

 レクサは、白とも銀とも異なる繊細な色合いの光沢のある珠を金で綴った美しい首飾りを身に付けていた。月明かりと篝火の明かりの両方を映して柔らかくまろやかな光を放つ様は、まるで地上に零れ落ちた月の涙のよう。

 レクサは胸元に手をやった。

「真珠です。まだ〈地の民〉と〈海の民〉との間に交流があった頃、〈海の九王国(カリオナスタ)〉の魔王陛下のお一人から当時の聖王に贈られた品のひとつです。真珠は〈海の民〉にとって信頼と友情を表わす宝玉なのだとか」

 〈地の民〉の中心の地である王都が大海を臨む沿岸部にあり、すぐ側に大地と大海を結ぶ唯一の門〈銀馬門(ガータナス)〉があった事もあって、初代聖王の時代から〈地の民〉と〈海の民〉は長きにわたり良好な友好関係を築いていた。

 そこが〈天の民〉とは大きく異なる点だ。

 大潮の時以外、〈銀馬門(ガータナス)〉は常に開いており、ふたつの民は良き隣人として交流し、交易も盛んだった。〈地の民〉の統治者である聖王と、〈海の民〉の統治者である九人の魔王たちが、度々互いの王宮を表敬した事も記録に残っている。

 豊かで麗しい友好の時代は長く続いた。

 しかし、突如異変が起こる。

 一体、何がきっかけだったのかはわからない。ある時を境に、九人の魔王たちは激しく対立し始めたのだ。戦が起き、戦火はあっという間に〈海の九王国(カリオナスタ)〉全土を吞み込んだ。

 その昔、〈黄金の鷺(アルゴーフォア)〉で巻き起こった〈天の民〉と〈獣使い〉の一族の内乱のように。

 そして、ある日、何の前触れも知らせもなく「それ」は起きた。

 〈銀馬門(ガータナス)〉が閉じられてしまったのだ。

 〈銀馬門(ガータナス)〉を開閉する装置〈大歯車(シャムシエク)〉も動かなくなった。

 唐突に時間(とき)が凍りついてしまったかのように。

 〈銀馬門(ガータナス)〉を閉じたのは魔王の一人だと言われているが、真偽の程は定かではない。とにかく、その日を境に〈海の民〉は忽然と〈地の民〉の前から姿を消した。

 やがて、かつては溶け込んだ海の水晶の色のゆえに「至高の青」と称され、海面から覗き込めば大小さまざまな美しい魚や海獣たちが自由自在に泳ぎ回る青い海水の下に美しい都や行き交う〈海の民〉の姿すら垣間見る事が出来た「麗しの青き宝玉」〈海の九王国(カリオナスタ)〉は、暗く不吉などす黒い緑色へと染まっていった。

 まるで暗緑色の分厚い雲に覆われたかのように。

 そして、ついに〈海の九王国(カリオナスタ)〉の様子は全く見えなくなった。

 〈地の民〉は、争い続ける魔王たちと〈海の民〉が吐く膨大な穢れのせいで大海が濁ってしまったのだと噂した。

 以来、千八百年余。

 皮肉な事に、そのせいで〈海の民〉ゆかりの物はなかなか入手出来ない貴重な古宝飾(アンティーク)として、貴族や裕福な商人たちの垂涎の的となった。

 真珠もそのひとつだ。

 これほど見事な真珠の首飾りは、おそらく聖王家しか持っていないだろう。

 食い入るようにレクサの真珠の首飾りを凝視するプルーデンスの様子に、レクサの側仕えの女官たちは密かな優越感と共にそっと互いの顔を見合わせた。

 一番年下のパセアナが、隣に立つアンシェンに囁いた。

「さすがのレディ・プルーデンスも、あの首飾りが羨ましいのね」

「あれはレクサ様だけが身に付けるに相応しいお品よ。いくら陛下お気に入りの妾妃(アドアディナ)でも身分不相応だわ」

「静かになさい」

 最年長の女官クラベッタに小声で叱責され、二人は慌てて居住まいを正した。

 レクサに聖王家に伝わるこの古宝飾(アンティーク)の首飾りを身に付けるよう進言したのは、クラベッタだった。今宵の宴の主催者であるプルーデンスが、いつもに増して美しく華やかに着飾ってくる事がわかっていたからだ。

 例え、聖王の寵愛を欲しいままにしている〈黒蘭の君〉が相手であろうとも………いやだからこそ、世継ぎの王女たるレクサが装いで負けるわけにはいかない。

 その甲斐もあって、今夜のレクサは大地をあまねく照らす太陽の化身のごとく神々しいまでの威厳と気品に満ち溢れていた。希少な黄金色の絹で作られた豪華なドレスが、レクサの透けるような白い肌を一層際立たせている。胸元と袖に施された繊細な翡翠色の刺繍が美しい。レクサが動く度に裾長い銀紗のベールが月光のように軽やかに煌めき、紫輝玉(アパタイエ)金剛石(ダイヤモンド)と琥珀を綴った帯が篝火の明かりを反射してきらきらと輝く。もしこの場に宮廷画家がいれば、今すぐ肖像画を描かせて欲しいと懇願する事だろう。

 主人(あるじ)の姿を見つめるクラベッタは誇らしげだった。当代一の美女と称賛される〈黒蘭の君〉を見惚れさせる事に成功したのだから。

 実は、華美に着飾る事が嫌いなレクサは、最初クラベッタが用意したドレスと宝飾品に難色を示した。だが、側仕えの女官の中で最も長く自分に仕え、姉のような存在であるクラベッタに押し切られてしまったのだ。

「世継ぎの王女たるレクサ様が、万が一にも装いでレディ・プルーデンスに見劣ってしまうような事があってはなりません。今宵の宴に列席される全ての貴族の方々や宴を警備する水晶騎士団の騎士たちに、貴女様が誰であるか示すのです」

 こういう時は大抵クラベッタが正しいとわかっているので、レクサは仕方なく折れたのだ。

 そして今、やはりクラベッタは正しかったと、プルーデンスの表情を眺めながらレクサは思った。

「これが気に入りましたか?」

 レクサの問いに、プルーデンスは我に返ったかのように何度かまばたきした。

「失礼致しました、王女。あまりに美しいお品なので、つい見惚れてしまいましたわ」

 それから、彼女はウィーアードの隣に用意されたもうひとつの玉座をレクサに示した。

「さ、レクサ様、音楽をお楽しみになりながら、陛下とゆっくりご歓談下さいませ」

 レクサは戸惑って示された玉座を見た。

 これでは、まるでレクサがウィーアードと話が出来るよう、プルーデンスがこの宴を催したかのようではないか。

 ………そうなのだろうか?

 レクサがウィーアードの隣に腰を下ろしたのを合図に、楽団が演奏を再開した。宴に集った人々もそれぞれに動き出す。再び楽団の演奏と妙なる歌声に耳を傾ける者。美味を極めた料理に舌鼓を打つ者。「近況」という名の噂話(スキャンダル)に興じる者。

 ひと組の男女が優美な音楽に合わせてゆったりと踊り始めると、その輪は瞬く間に広がった。

 今夜、宴が催されているのは、王宮内にいくつもある庭園のひとつだった。睡蓮が浮かぶ大きな池を臨む、王宮で最も広い庭園だ。庭師が丹精込めて手入れした芝生と、この世に存在する全ての色を集めたかのごとく百花咲き乱れる花壇。あちらこちらに据えられた代々の聖王の彫像。王宮へと抜ける石畳の小径の両脇には、春になると淡いピンク色の花を咲かせるアーモンドの木立が並んでいる。すでに花の頃は過ぎているが、細長い葉が月光を反射して銀色に輝き、何とも神秘的だ。池に架けられた橋には等間隔にランタンが吊るされ、水面にゆらゆらと灯火が映えている。

 皓々と輝く月と、夜空に水晶のかけらをぶちまけたような満天の星の下、庭園のあちらこちらに据えられた大きな篝火に照らされて、人々の影が幻想的に揺れている。

 そして、篝火の明かりからは絶妙に外れた薄闇の中には、幾人もの騎士の姿があった。こちらはトロイの采配だろう。いつも通り隙のない警備だ。

 トロイ自身は今夜は水晶騎士団の制服ではなく、爽やかな勿忘草(わすれなぐさ)色の正装姿でさんざめく煌びやかな貴族たちの間に紛れ、油断なく宴全体に目を配っていた。准貴族(ピノチェ)である彼の装いは正貴族(サストン)ほど派手派手しくはないが、高貴な身分の者らしい凛とした品格がある。

 トロイに気付いたレクサが軽く頷くと、彼は胸に片手を当てて堅苦しく一礼した。

 儀礼用の華やかな制服に身を包んだ王宮侍従が恭しく差し出したグラスを受け取り、レクサは庭園を見回して言った。

「夜に野外での宴とは、変わった趣向ですわね」

 庭園での宴は昼に催されるのが通例だ。それも、お茶会などのごく少人数の場合がほとんどである。

「プルーデンスの案だ。わしに外の空気を吸わせたいと申してな。この時期、王都にはほとんど雨が降らぬゆえ。まことあの者は常にわしの身を案じてくれておる」

 ウィーアードがうっすら笑いかけると、プルーデンスは優雅に腰を屈めて応えた。

 今夜も、プルーデンスはもはや彼女の代名詞となっている黒を基調としたドレスに身を包んでいた。いつものごとく眩いばかりの完璧な体のラインを強調した、妖艶で蠱惑的なドレスだ。光沢のある絹の黒地に、肩から裾にかけて一羽の孔雀が大胆に描かれている。美しく長い尾羽は敢えて畳まれたデザインで、幾重にも重なった特徴ある目玉模様が後ろの裾まで長く続いていた。きっと遠目には孔雀が彼女に寄り添っているように見える事だろう。ドレスには太腿の付け根辺りから深いスリットが大胆に入っており、その下の銀糸のレース越しに陶器のように白い足が透けて見える。わざと見せつけているとしか思えない挑発的なドレスに、華やかながらも伝統的な装いに身を包んだ数人の貴婦人が眉をひそめて彼女を見ているが、プルーデンスは全く意に介する様子はない。貴婦人たちの非難がましい視線をむしろ楽しんでいるかのようだ。(ほう)けた表情(かお)で聖王の愛妾の官能的な姿に目を奪われ、傍らの妻に肘で小突かれている貴族もいる。

 篝火が焚かれているとはいえ、野外での夜の宴では黒いドレスは目立たくなってしまうはずなのに、プルーデンスがまとうとそこだけ妖しく浮かび上がって見えるから不思議だ。熟れきった桃のように柔らかく、今にも零れ落ちそうなほど豊満な胸とその谷間を惜しげもなく見せつけるなまめかしい胸元には、大粒の金剛石(ダイヤモンド)で囲んだ大きな虹玉(オパール)の首飾り。これはウィーアードから下賜されたものだ。どれほど財力のある貴族でも、これほど見事な虹玉(オパール)を所有している者はいないだろう。彼女の身分……聖王の特別な愛妾・妾妃(アドアディナ)である事を示す白金(プラチナ)の帯飾りと同様、いかにウィーアードが彼女を寵愛しているかを表わしている。

 彼女の王宮における絶大なる権力も。

 まるで太陽と月のようだ。

 玉座のレクサと壇の下に控えるプルーデンスの姿に、宴に集った貴族たちはそう囁き合った。

 ほら見ろ、太陽と月が揃っている。

 大地を照らす者たちが。

 来た甲斐があったというものだ。

「良い音楽(がく)だ」

 代わる代わる挨拶に来る貴族たちに応えながら、ウィーアードが言った。

 レクサは頷いた。

「はい、父上」

 ウィーアードの言う通り、なめらかな絹のような美しい演奏と歌だった。身を優しくふわりと包まれるようで、心地好い。魂の奥底まで染み渡る妙なる調べだ。プルーデンスは「当代一」と言っていたが、その言葉に偽りはなかった。

「プルーデンスの采配には全くもって抜かりがない。あの間抜けなワーテワンなどよりはるかに気が利く。いっその事あやつは罷免(クビ)にして、代わりにプルーデンスを宰相に据えるか」

「父上………」

 咎めるように眉をひそめたレクサに、

「なんだその顔は。冗談に決まっておる。全く、そなたは冗談もわからぬのか。少しはわしのプルーデンスを見倣って、洒落た台詞のひとつも吐いてみせればよいものを」

「…………申し訳ありません」

 ウィーアードは繊細なグラスに入った葡萄酒(ワイン)をぐいと一気に飲み干すと、ぞんざいな仕草で控える王宮侍従に向かって空になったグラスを揺らした。飲むペースが恐ろしく早い。いつもこんな調子で飲酒しているのだろうか?

 王宮侍従に葡萄酒(ワイン)を注がせながら、ウィーアードは言った。

「盛大な宴になったものだ」

「それは父上がご臨席されているからでしょう。皆、父上に拝謁の栄誉を賜りたいのですわ」

「そなたもだ、レクサ。そなたがプルーデンスの招待を受けたと知り、皆小躍りして集まったのだ」

 ウィーアードは喉の奥でくつくつと暗く笑んだ。

「これで貴族共は、プルーデンスかそなたかのどちらに(おもね)るが得策か悩まずに済むと内心ほくそ笑んでおる事であろうよ」

「そのような事は………」

 ウィーアードは顎をしゃくって、着飾った若い貴婦人と楽しげに談笑しているワーテワンを示した。

「見よ、ワーテワンもすっかり安堵しておる。早速新しい愛人を物色しておるわ。そなたも愛人の一人や二人、見繕ってはどうだ? 今宵は主だった貴族が揃うておる。若い貴族共は皆そなたに気に入られようと派手に着飾り、髪や爪まで入念に手入れしてきておるわ。下へ行って、存分に品定めして参るがよかろう。少しばかり思わせぶりな顔をして、ダンスの一曲でも付き合ってやれば、彼奴らは涙を流して喜ぶぞ。せっかくの宴じゃ、玉座を温めているだけではつまらぬであろう?」

「いえ、わたくしは………」

 父王の下品な物言いに、レクサは不快な感情を顔に出さないようかなり苦労しなければならなかった。

 ウィーアードはつまらなそうに鼻で笑った。

「ふん。堅苦しいやつめ。そういう面白みのないところは母親(カサンタル)にそっくりだな」

 それから、彼は玉座のひじ掛けから身を乗り出すと、酒臭い息でレクサに囁いた。

「このあと楽しみがあるぞ、レクサ。素晴らしい事を思いついたのだ。プルーデンスが今宵の宴を野外で催したのも、ひとつにはその為だ」

 その時、庭園の一角でどよめきが巻き起こった。

 どよめきが起きた方角を見やったレクサは、思わず目をみひらいた。

 レクサが庭園に現れた時のように、宴に集う煌びやかな人々が一斉に左右に分かれていく。

 その中心に、紫紺色の荘厳な正装に身を包み、獅子のごとく威風堂々と進む一人の貴族の姿があった。

 ナサニエルだった。

 真っすぐ、レクサとウィーアードが座る玉座に近付いて来る。

 オルデン国の紋章の意匠のひとつであるマートルの葉を象った三連の飾り金鎖が、篝火の明かりを反射して太陽のかけらのように光り輝いている。

「見ろ、ナサニエル公だ」

「彼が〈黒蘭の君〉の招待を受けるとは」

「レクサ様といい、一体今宵はどうなっているのだ?」

 ナサニエルが歩を進める毎に、まるで水紋のように貴族たちの間に動揺が広がっていった。レクサが現われた時よりもその波紋は大きかった。警備の任についている騎士たちですら、思わず互いに顔を見合わせたほどだ。

 ナサニエルがプルーデンスを毛嫌いしている事は、誰もが知っていたから。

 ウィーアードですら驚きを隠さず言った。

「まさか、そなたまで顔を見せるとはな、ナサニエル。今宵は思いがけぬ事ばかり起こりおるわ」

 ナサニエルは片手を胸に当てると、非の打ちどころのない完璧な所作で臣下の礼を取った。

 飾り金鎖が涼しい音を立てる。

「聖王陛下のご尊顔を拝するは、臣下の誉れでございますゆえ」

 ナサニエルの言葉に、ワーテワンが苦虫を嚙み潰したような顔をしたのを、レクサは見た。「過日のアンダーレイの処刑の折は欠席したくせに、何をぬけぬけと」と、その顔は語っていた。王都に滞在していた正貴族(サストン)で、病などのさしたる理由もなく欠席したのは、ナサニエルだけだった。

 そんなワーテワンの心中など全く素知らぬげに、ウィーアードは声を上げて笑った。

「ぬけぬけとよう抜かしおるわ。むしろ天晴(あっぱれ)であるぞ、ナサニエル。見よ、そなたが現われたせいで、皆驚きのあまり間抜け(づら)を並べておるわ。愉快よの」

 主君にあわせて笑うべきか否か迷っている「間抜け面」の貴族たちを前にひとしきり笑った後、ウィーアードはおもむろに口調を改めた。

「ナサニエルも参った事だ。ちょうど良い。わしから皆に知らせる事がある」

 ウィーアードの言葉を合図に、楽団が再び演奏をやめる。

 レクサは眉をひそめた。

 先ほどウィーアードが言っていた「楽しみ」の事だろうか?

 宴に集う全ての人々の顔を順番に見回した後、ウィーアードは厳かに口を開いた。

「皆も知っての通り、現在、我ら〈地の民〉に対し〈天の民〉が戦を仕掛けておる。七十年前に我らに敗北した事を愚かにももう忘れてな。〈天の民〉は〈地の民〉の宿敵、決して相容れぬ。ならば、彼奴らに関わるものは悉く排除するが道理であろう?」

 ウィーアードはひと呼吸置き、続けた。

「ゆえに、わしは決断を下した。この王都にある〈天の民〉を表わすものを滅し去る。代わりに、我が聖王家の象徴たるアザミを植えるのだ!」

 レクサは目をみひらいた。

 まさか………

 ウィーアードの宣言と同時に、ドオ…ン!という大きな衝撃音が響き渡った。

 驚き、振り返った人々の目に、王宮の南側に位置するなだらかな丘の裾野の下の一角が真っ赤に染まったのが映った。

 炎だ。

 炎はあっという間に勢いを増し、夜空を焦がさんばかりに火柱が立ち昇る。まるでいっぱいに油を満たした大きな桶に松明を投げ込んだような、すさまじい火焔だった。

 レクサは思わず立ち上がっていた。傍らの玉座で愉快げにほくそ笑むウィーアードを振り返る。

「父上! あれは七賢者エルレイ=ズヌイが永眠(ねむ)る薔薇の園ではありませんか!」

 レクサの悲鳴にも似た叫びに、人々はどよめいた。

 紅玉(ルビー)を散りばめたかのごとく美しく咲き誇る、深紅の薔薇の園。

 それが今、その気品に満ちた花の色よりも尚(あか)い無慈悲な炎によって無残に焼かれていく。

 遠目にもその様ははっきりと見えた。

 ウィーアードは面倒臭げに片手をゆらゆらと動かした。

「大事ない。王宮には飛び火せぬよう、ちゃんと手は打っておる」

「そういう事を申しているのではありません! エルレイは先の大戦で我ら〈地の民〉の為に命を賭し、尽くしてくれた七賢者の一人、その墓所を焼き払うなど………!!」

「何を馬鹿な。焼くのは天の花ぞ。我ら〈地の民〉の宿敵〈天の民〉を象徴する花だ。焼き払うに何の不都合がある?」

「それ以上に! あの薔薇の園は、エルレイが故郷を思い起こせる地で安らかに眠れるようにと〈勝利王〉オニールがお造りになった花園ではありませんか! それを………!」

「レ、レクサ様、お怒りはごもっともではございますが………」

「そなたまでオニールの名を口にするか!!」

 慌てて仲裁に入ったワーテワンの青ざめた声は、ウィーアードの怒号によってかき消された。

 怒りに顔を真っ赤に染め、ウィーアードは玉座から立ち上がった。

 立ち上がろうとした。

 ……が、スムーズには立ち上がれず、ウィーアードはふらつきながら玉座の肘掛けを掴むと、宝玉と絹とサテンで着飾った体を玉座から引きずり上げた。

 その様は、まるでひどく泥酔した哀れな老人のようだった。

 ウィーアードは凍りついたように立ちすくむレクサと貴族たちに向かって喚き散らした。

「オニール! オニール! オニール! どいつもこいつもその名ばかり! 彼奴と比べられるのはもううんざりだ!!」

「そんな、父上、わたくしは比べてなど………!」

「黙れ、レクサ!!」

 一瞬、人々はウィーアードがレクサを殴るのではないかと恐怖した。

 その代わりに、ウィーアードは手に持っていたグラスをレクサの足元に叩きつけた。繊細なグラスは粉々に砕け、レクサのドレスにグラスの欠片と血のような色をした葡萄酒(ワイン)が飛び散る。

「立場をわきまえよ! 聖王たるわしに意見するなど十年早いわ! 媚びへつらうばかりの愚臣共に〈琥珀の君〉だなんだと持ち上げられ、思い上がりおって! そなたはウィメスが死んだおかげで(ふた)つ玉座を独り占め出来るだけぞ!」

 大勢の臣下が見ている前での父王の暴言に、レクサが青ざめる。

 まるで(たが)が外れた狂人のように、ウィーアードはレクサを罵り続けた。

「その小賢しい物知り顔を見ておると苛々するわ! この父を不快にさせるのがそれほど楽しいか!? このような親不孝者しか我が血を受け継ぐ子が残っておらぬとは、わしはなんと不幸なことか! まことウィメスを失うたのが悔やまれてならぬ。あれは良い息子であった。息子らしくわしを敬っておった。わしの後を継ぐに相応しい王子であった。レクサ、そなたとは違うてな! そなたは自分を(ふた)つ玉座に相応しい者であるなどと、本気で思うておるのか? 頭の悪い奴め。王宮の中しか知らぬ世間知らずの小娘の分際でなんと図々しい!」

「へ、陛下、陛下、どうかもう………」

 見かねたワーテワンが制止しようとしたが、ウィーアードはやめなかった。

「ガラハイド国ら西方諸国では公子(むすこ)にのみ世継ぎの資格があるとか。全くもって良い国法ではないか! 女は色恋に溺れ、男に容易(たやす)く操られやすい。かつて女王が(ふた)つ玉座に座しておった時代を見れば一目瞭然であろう! 〈(いさか)い王〉アシュキリュイも〈華乱(からん)王〉エンエナも、夫や妾殿(ダンバー)の言いなりの愚王であった。そのせいでどれほど世が乱れた事か! そなたもあの愚かな女王共と同じ轍を踏まぬと何故言える!?」

 人々は静まり返った。

 どよめきすらなかった。

 あれほど華やかだった宴の空気が一気に凍りつき、月と星は光を失い、庭園を照らす篝火の炎ですら暗くなったかのよう。

 これが、父が娘に対して放つ言葉か?

 第一、「色恋に溺れ」「世が乱れた云々」などと………

 一体、どの口がそれを言うのだ?

 人々の表情はそう語っていた。

 その言葉は、己に向けて放つべきではないのか? と。

 思うだけで、口にする勇気を持ち合わせている者はいなかったが。

 ………ただ一人を除いては。

「……………聖王陛下ともあろう御方が、ご自身の先祖を悪しざまに言われるとは」

 恐ろしく感情を抑えた声に、人々が一斉に振り返る。

 ナサニエルは双眸を義憤で激しく燃え上がらせ、怒れる獅子のごとく立っていた。

「例え〈地の民〉唯一の王であろうと、言って良い事と悪い事がありましょう。ましてや、レクサ王女に対しなんという暴言。陛下は、〈双子王〉ディアドラ陛下や〈麗明王〉グナワルダ陛下、〈慈愛王〉リリュー陛下の輝かしき治世をお忘れか? 賢王か愚王かに男女の別は関係ない。男でも聡明な者は聡明、愚か者は愚か者だ。陛下は我が身を振り返ってみられた事がおありなのか?」

「…………今、何と申した、ナサニエル?」

 ウィーアードは、酒と怒りのせいで真っ赤に充血した目でナサニエルを睨みつけた。

「わしを愚か者だと申したか!?」

 ナサニエルは冷やかに言った。

「それ以外の意味に聞こえましたか?」

「……っ! 臣下の分際で主君たるわしを侮辱するか!?」

「ご自分を主君だと仰られるのならば、それに相応しい行動をなさって頂きたい。真っ先に〈天の民〉に襲われた北方の国々では、想像するのさえ恐ろしいほどの数の戦死者が出たと聞いております。かろうじて生き残った者たちも、その後訪れた極寒の冬の中で凍死者や餓死者が続出した。寒さをしのぐ家も、飢えを満たす食料も悉く焼かれてしまったからです。雪と氷に閉ざされる季節がどれほど辛く厳しいか、陛下にもご想像出来ましょう。敵兵が去っても、死はいつまでも居座り続けるのです。陛下や、ここにいる私たち貴族にとって、それは決して「他人事」ではない。素知らぬふりをしてはならぬのです。そして、今この瞬間も、〈獣使い〉の一族は我ら〈地の民〉の盾となり、〈天の民〉と勇猛果敢に戦っている。だが、御身は妾妃(アドアディナ)のもとに入り浸り、酒と宴三昧の日々。(まつりごと)はワーテワン殿に任せきり。ウィメス王子を亡くされた悲嘆のほどは、恐れながら私にもわかります。私も子供を亡くした。一人は死産で、一人は病で、そしてもう一人は戦で。もし、ただ一人残った息子エタニエルまで失うような事があればと、想像するだけでも恐ろしい。ですが、陛下、御身の両肩には民の生命と未来がかかっているのです。どうか聖王としての自覚と誇りを思い出され、責任を果たして頂きたい。頭に王冠を乗せ、玉座を温めるばかりが聖王の務めではない!」

 ウィーアードは拳を………いや、全身をぶるぶる震わせた。あまりの怒りに言葉が出ないというふうに。

 主君の烈火のごとき憤怒の表情に、固唾を飲んで成り行きを見守っていた貴族たちが思わず後退り目線を反らす。

 ナサニエルへの怒りが自分に飛び火しないように。

 ナサニエルだけが、真っすぐウィーアードの顔を見上げていた。

 彼はひとかけらもウィーアードを怖れてはいなかった。

 それがまたウィーアードの頭にさらに血をのぼらせた。

「……………よう言うた………!!」

 ウィーアードは、食いしばった歯の間から獣じみた唸り声を発した。

「ち、父上………」

 父王の怒りを鎮めようと差し伸べたレクサの手を乱暴に払いのけ、ウィーアードは悪鬼のごとき形相でナサニエルを見下ろした。

「聖王たるわしに対する数々の暴言、覚悟があっての事であろうな、ナサニエル! 不忠の者に聖王が下賜した領地を治める資格はない。たった今、ここで、そなたからオルデン国領主の地位を剥奪する! 次の領主を誰にするかは追って命ずる。そなたが望む者を据えるとは限らぬぞ!」

 なんと厳しい。

 ウィーアードのあまりな言葉に、貴族たちは……日頃ナサニエルと対立しているワーテワンですら……息を飲んだ。

 大勢の貴族や王宮の者が見ている面前で、正貴族(サストン)から領主の座を取り上げるなどとは。

 なんという屈辱か。

 このような厳罰はエギンテの反乱以来だ。

 しかも、ウィーアードは、言外にナサニエルの息子エタニエル公子に次の領主の座を継がせるかどうかわからぬぞと脅したのだ。

 ある程度の処罰は覚悟していただろうが、思わず青ざめるナサニエルの顔を小気味よさげに見下ろしながら、ウィーアードはさらに言い渡した。

「そなたには王都のオルデン国領主邸にて蟄居を命ずる! オルデン国へ戻る事は許さぬぞ! 一歩でも王都を出た時は覚悟せよ!」

「父上! 父上、お待ち下さい!」

 必死にすがるレクサを完全に無視し、ウィーアードはプルーデンスを振り返った。

「気分が悪い。宴はもう終わりじゃ。サシャ離宮に戻る」

「はい、陛下」

 しとやかに頷き、付き従うプルーデンスに支えられながら、よろよろとおぼつかぬ足取りで立ち去っていく自分たちの王の姿を人々はただ茫然と見送った。

 たった今、目の前で起こった出来事が信じられないというふうに。

 数人の貴族がナサニエルに近づき、

「酒の勢いの事でございますよ」

「きっとすぐに思い直して下さいます」

 などと、口々に彼に慰めの言葉をかける。

 壇から降りたレクサはナサニエルに駆け寄ると、そっと彼の手を取った。

「もとはと言えばわたくしが父上のご決断に異を唱えたせいで、そなたにこのような不名誉を与えてしまいました。なんと詫びればよいのか」

 まさかこんな事になろうとは。

 ナサニエルをこんな目に遭わせてしまうなんて。

 激しい後悔に顔を曇らせるレクサに、ナサニエルは微笑みかけた。

「そのお言葉だけで、臣の不名誉など些細な事となりましょう。それに、私は真実を申し上げたのみ。主君に諫言するは臣下の務めでございます。その為に地位や命を賭すは騎士の誉れ」

「そなたの忠誠は忘れません、ナサニエル。父上がなんと仰ろうと、そなたは一番の忠臣です」

「もったいなきお言葉でございます、王女。………では、私は領主邸に戻ります。主君の命に従うが貴族の務めゆえ」

 内心どれほどショックを受けていたとしても、そんな気配はひとかけらも表には出さず、ナサニエルは現れた時と同様威風堂々とした歩調で去っていった。

 彼の後ろ姿を見送りながら、レクサはワーテワンに向かって言った。

「ワーテワン、今夜は聞く耳を持たれぬでしょうが、陛下のお怒りが鎮まるのを見計らって、そなたからナサニエルへの処罰を取り消して下さるよう進言して下さい。わたくしも頃合いを見て話します」

「御意」

 ワーテワンは恭しく頭を垂れたが、内心ではウィーアードを翻意させるのは難しいだろうと思っていた。

 それに、きっとナサニエルもこのまま黙ってはいまい。

 先ほどはレクサに対しずいぶんと殊勝な事を言っていたが、彼がこのまま素直に領主の座を明け渡すとは、ワーテワンには到底思えなかった。ナサニエル自身もだが、彼の息子エタニエル公子や、ナサニエルを心から慕っているオルデン国の家臣領民が納得するはずがない。

 かつてオルデン国が現在ほど盤石ではなかった頃、夫ナサニエルと共に数多(あまた)の戦場を駆け巡り、敵や周辺諸国から〈赤の烈女〉と恐れられたオルデン国公妃イラナも同様だ。

 夫の窮地を救う為、イラナは実家であるカルデナン国へ支援を頼むかもしれない。軍馬の産地として名高いあの強国がオルデン国側に付けば、他にも味方する国が間違いなく出て来るだろう。

 下手をすれば、エギンテの反乱の二の舞となる。

 聖王シーグリエン家の治世六千年の歴史の中で最も深い傷を残したあの反乱も、もとはと言えば隣国同士の些細な諍いが発端だった。仲裁した時の聖王の裁定に納得出来なかった不満から、全ての〈地の民〉を巻き込む内乱が始まったのだ。内乱は二十年以上続き、大地は混乱し荒廃した。一時期は聖王が水晶王宮と王都を放棄し、ディアドラ系譜図書館に避難するという事態にまでなった。

 今夜、エルレイの薔薇の園を焼いた炎のように、一度燃え上がった争乱の火種は瞬く間に広がるものだ。

 それに、領主の地位の剥奪は「些細」ではない。

「父上のお気持ちを翻意させるのは難しいと思っていますね?」

 あれこれ思いを巡らせるワーテワンに、レクサが言った。

「それとも、そりの合わぬナサニエルの為に動くのは不本意ですか?」

 心の内を見透かされ、ワーテワンは慌てて頭を横に振った。

「い、いえ、決してそのような事は……! むろん、全力で陛下を説得致します」

 レクサはワーテワンに微笑みかけた。

「期待していますよ、ワーテワン。そなたはこの三年というもの、父上に代わり民と王宮を支えてくれた一番の功労者。そなたの我が身を顧みぬ忠誠と献身には、日々感謝しています」

「なんともったいなきお言葉……!」

 ワーテワンは感激に声を震わせた。

 こんな慈悲深い労いの言葉をウィーアードから投げかけられた事など、ワーテワンは一度もなかったから。

 レクサは強い口調で続けた。

「なんとしても父上には思い直して頂くのです。ナサニエルがこのまま黙っているとは思えません。今は〈天の民〉との戦の真っ最中、〈地の民〉同士で諍いを起こしている場合ではない。頼りにしていますよ、ワーテワン」

 ワーテワンは深々と頭を下げた。

「王女のご期待に沿えますよう、身命を尽くします」

 レクサは、ウィーアードとプルーデンスが去った方角をもう一度見やった。

 あの時、レクサは見たのだ。

 肩を怒らせ、よろめきながら歩くウィーアードを優しく支え寄り添うプルーデンスの口元に、一瞬だけ閃いた微笑を。


 まるで、全て自分の思惑通りになったとでもいうふうな、妖しい微笑を。


最後までお読み下さいまして、ありがとうございました。

色合いやデザインを頭の中で描きながら女性キャラの華麗な装いを表現するのは、とても楽しい作業です。

カナンもエイデンもほぼ着た切り雀なので(笑)

特にプルーデンスのドレスを考えるのは好きですね。

昔、フランスのとある国王の愛妾は、胸が丸見えのドレスを好んで着ていたそうです。自分の美しい胸が自慢だったそうで。それを見た国王はめちゃくちゃ喜び(喜ぶんじゃないよ)、宮廷の貴婦人たちは彼女の真似をして、その大胆な出で立ちで教会にまで行ったとか。呆れ果てた教会側が「教会内では胸を出すな」と禁止する事態になったそうです。

現代だと100%逮捕案件ですね(笑)

それでは、次回も引き続きお読み頂けますと幸いです。

ではまた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ