少しだけ謎めいた話
この処、猫に頼った話ばかりで恐縮です。が、そこで思い出した猫話をもう一つ……。
我が家の玄関は人感センサーが付いていて、夜中にそこを通り掛かると灯りが数秒点く仕組みになっています。一見便利に思えますが、特にメリットがないのです。だって、トイレに行くにも風呂場に行くにも、別にそこを通る必要が無いので……でも、切り方がよくわからないのでそのままにしてあります。主様達が通りがかったりして灯りが点くと、何となくほっこりするし。
それこそデメリットもなさそうに思えるかもしれませんが、ちょこっと困る事もございます。
滅多にGサイズの虫など出没しない我が家ですが、やはり蚊程度ならば入り込むことはあります。で、虫の侵入ルートの多くは玄関なんだそうで、例えば昼の間に家に入り込んだ小さな蛾などがシューズクローゼットの影などに潜み、夜中になって動き出すことがあるのです。
すると、彼等の飛行ルートによっては、人感センサーが反応してしまう。
最初はそうと気付かず、びっくりしました。玄関に人なんて居る筈が無いのですから……居るとしたら、完全によからぬ相手と言う事になります。覚悟を決めて、武器代わりにラップの芯(硬さが鶏肉などを叩く時に丁度いいので取ってある)を手に玄関に向かい……飛び回る小指の爪程もない蛾と格闘すること数分。すったもんだの末、彼を外に追い出すことに成功したのです。まあ、そんなことがありましたから、今ではちょっと灯りが付いたくらいでは特に驚きもしません。
そんな人感センサーですが、この間、不思議なことがありました。真夜中、久しぶりに玄関の灯りで目が覚めたのです。
多分、虫じゃなくて主達のどっちかだろうなー、夜中のパトロールご苦労様です、けど出来ればこの時間は止めてくれないかなー、なんて思いつつそちらに目を向けると、玄関から風呂場の方へ抜けていく猫の影が見えた……様な気がして程なく、玄関の灯りは消えました。
私はかなり視力が悪いのですが、例え部屋が暗くとも、例え裸眼であっても、猫の影は見落としません。二匹の主達にそのように躾けられてますからね! で、横になったまま、なんとなく自分の身体を見下ろすと、
私の脇っ腹に、毛玉×1。
私の足もとに、毛玉×1。
……あれ? ウチに居られる毛玉族はお二方だけなんだけど……じゃあ、さっき過った影は一体……? そもそも、この脇っ腹と足もとに蹲っているのは、本当に我が主なのだろうか?
その時、足もとに蹲っていた毛玉がむっくりと起き上がました……あれあれ? 何かを確かめるように風呂場に向かったきり、中々帰って来ないですよ?
物凄く眠かったし、何故か全く怖くも無かったため、確かめることもせずそのまま再び眠りに就きました――それ以来同様の事は起きておりません。
あれはなんだったんでしょう??




