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冬の硬度

 冬って、「かたい」ですよねえ。

 いえ、もしも四季に硬度があるとしたら、冬が一番かたいのではと思うのです。硬いというか、固いというか、堅いというか……。


 例えば空気。肺に取り込む冷たい空気の存在感は、呼吸すると言うよりも、空気を呑み込む、と言う表現が合う気がします。勢いよく水を飲んで噎せるみたいに、空気の冷たさに噎せてしまった事があるのは、きっと私だけではないでしょう。というか、空気を温める為には鼻の高さ、長さが必要になるらしいのですが、日本人の鼻の長さにそこまで期待するのは酷というものですよね。あ、私個人の鼻の長さの問題ですか……そうですか……。


 気を取り直して、水だって硬くなります。水は零度で氷になりますから、外気が零度を下回れば土の中の水分が凍ります。土中の水分が氷になりきらきらと光を反射する様には、硬質な美しさがありますよね。


 あと、身体! 寒さでがっちがちに固まります。縮込まってるせいで肩こりしちゃう! 


 自然界では多くの生き物が、冬を乗り切るために生命活動を低下させます。植物は実りの季節を終え、芽吹きに供えて休眠期に入るものも多いでしょう。多くの動物達もそのサイクルに合わせた生命サイクルになっています。

 乗り遅れたら死あるのみ! もう、軍隊以上にかたーい鉄の掟です。


 季節というか、北国と南国では国民性にも「かたさ」の違いが見えると思います。南国の人ほど大胆で、北国の人程自分を律して我慢強い傾向がある……気がします。私、友達少ないし、ちゃんと確認した訳でもないので、あくまでただの偏見なんですけど……。


 冬のかたさの後には、柔らかで軽やかな芽吹きの春が来ます。すっかりかたさを無くした空気は、成長の夏へと。やがて空気は硬さを取り戻していき、成長した命は少しずつ冬へと備え結実し始める。

 春は始まりのシーズン、などとも言いますが、もしかしたら、冬のかたさこそが季節の始まりかもしれないなーなどと、とりとめなく思いつつ、おコタで丸まる猫達を撫でてみる。

 おお……ほかほかで、なんて柔らかい……冬っていったらこれですよ、これ! この蕩けた猫の柔らかさこそが日本の冬!

 

 ……冬のかたさ、何処に行った。

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