脳内温泉に行こう
はあ……温泉でも行きたいですね。
自分、日頃はそんなにお風呂ライフに拘りがある方ではございません。なので温泉に行きたい=温泉に浸かりたい、と言う事ではないのです。
ただ、温泉街の雰囲気を味わいたい。
ゆっくりと山道を進む電車やバスに揺られ、向かう先は温泉郷。
車窓から見える樹々。その隙間から、時折急流や滝なんかが見え隠れするとなお良いですね。
ちらほらと見えて来るお土産物屋さんの軒先では、温泉饅頭でも蒸かしているのか蒸籠から湯気が上がっています。
曲がり角に差し掛かり、そのはずみに窓を閉じた車内でも硫黄のにおいが感じられ……。
いいですね! これぞ温泉街!
そこここから感じる湯のかおり、あちこちのお土産物屋さんを覗いたり、その土地ならの食事屋さんでご飯にしたり、そうだ、地酒とかもあるかも! とても楽しそう!
日帰りでも泊まりでもいいのです。秋冬に味わいたい空気の五本指に入ります。お風呂目的の方からしたら、邪道な楽しみ方かもしれません。
いや、いざその場に行ったら、温泉も堪能しますよ!? でも、温泉そのものよりも、そこに付随する景色やにおい、味覚、空気感を楽しみたいのです。舞台を見に行って、主役の素晴らしい演技だけでなく、演出や物語、小道具だって楽しみたい、みたいな感じでしょうか。
けど実際は、中々温泉街に行く機会なんてありません。
仕方ないので、取り敢えず、お風呂に温泉の素を入れて部屋を温泉のにおいで満たし、温泉で有名な土地のお酒を用意して晩酌してみたところで、偽物感が半端ない。
……けどこのチープ感も、やってみるとそれなりに楽しくなってくるから不思議なものです。
想像力を働かせまくりの温泉街、皆様も如何でしょう?




