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わんこの半分は優しさで出来ている

 ちょっと頭痛がしそうなので、先程バ〇ァリンを飲みました。その箱を見ていて思い出したことがありまして……。


 ある日の、何の変哲もないありふれた午後。私は友人の車で家に送ってもらっている最中でした。理由は分かりませんが道路が渋滞していて、どの車ものろのろ運転で、数メートル進んでは直ぐに停まる状態です。

 すると、背後からパトカーのサイレンが聞こえてきました。道を空けるべく左に車を寄せようとした友人が、


「え⁉」


 小さく叫びました。何事かと思い、私も左のサイドミラーを確認しようとしたところ、車外の斜め後ろから何やら気配を感じたのです。直ぐに私の口からも、友人と同じ叫びが漏れました。


「え⁉」


 窓のすぐそこ、路側帯を影が通り過ぎたのです。

 それは、大きな獣でした。

 真っ黒で、すらりとして……とても、とても楽しそうな……ドーベルマンだったのです。ちらっと見た感じ毛並みもとても綺麗で首輪もしていたようですし、ご近所のどこかから逃げ出してしまったのでしょう。自由をめっちゃ謳歌してました。


 幸いなことに、渋滞により、どの車も歩いた方が速い位のスピードしか出てない上にすぐ停まりますし、ドーベルさんが車にあてられる心配は無さそうでした。車と車の隙間を通り過ぎて行ったパトカーのサイレンも、どうやらドーベルさんを捕まえる為のものだったようです。事情はさっぱりですが、きっと、飼い主の方なり目撃者の方なりが通報したのでしょう。

 はっきりとは確認できませんでしたが、数十m先で無事に保護されたっぽかったので、我々も車中で安堵の息をついたのです。無事飼い主さんのもとに戻れますように! 飼い主さんも、次から気を付けて!


 この時実感したのが、「ドーベルマン、凄い大きい!」です。車の中ですから、こちらは座った体勢です。立って見るより目線が近くなるせいか、子牛ほどもある様に感じられたのです……いや、大袈裟じゃなくて、ホントに。

 元々軍用犬でもあるわけですし、大きさ、素早さ、力強さ、どれをとっても人間よりも強そうです。頭脳も、確実に小学生だった頃の私より、何なら現在の私より賢いでしょう。生物として勝てる要素がありません(少なくとも私は)!


 そんな彼等が人間と暮らしてくれるのは、彼等の生態がそうさせるからです。勿論、我々が彼等にとって都合がいい存在だというのも理由の一つでしょう。ですがきっと、それだけではないと思うのです。群れをつくり、協力して生き残るという生き方が、異種族である人間をも許容してくれるのです。それはある種の余裕と優しさです。

 彼等の優しい目は、飼い主さん達だけではなく、時には見ず知らずの人間に向けられることもあります。犬に助けられた話とか聞いて涙腺崩壊したことがあるのは、自分だけじゃない筈……!


 きっと、わんこの半分は、優しさで出来ているのです。あと半分は……可愛さです。多分。

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