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94.リーゼロティ・ヘムス・ヌーヌ ③

リーゼロティは記憶を思い出そうとしていた。トオルは彼女の心拍が速くなるのを耳で感じた。それは人間の脈拍とは比べ物にならないほどの速さで、まるでマシンのエンジンが中速で回転しているかのようだった。


(私は種族境界線ノアペリティア・デーゾルを越えた間に、最初から戦闘経験が全く身に付けない私は、旅中に遭遇した魔獣をなかなか倒しできず、ずっとレイカルプサス人天性に恵まれた感覚で危険な魔獣を避けて進みしかできませんでした)


(一度に大型魔獣に捕われて、食われたと思った時にタヌーモンズ人の盗賊団に助けられました……)


(この世界に盗賊が多いの?)


(私は他の盗賊団がいるのを知っていますが、各勢力の詳しい情報がよくわからないですが、盗賊団はフェイトアンファルス連邦に大罪を犯し、追放刑を科された人が野外の地に追い出せた人が集め、誰の領地でもない種族境界線の上にあちこちに、魔獣の狩りを始め、資源を自力で獲って生き続いている集団です)


 トオルは飛空船を乗せてデストロンドのテロを襲われたことを思い出した。武装装備を着ている組織員たち、それとキアーラと戦い合わせた時に彼の悪顔を覚えた。


(リーゼロティさんはそんな怖い集団に助けられたと言うのか?)


(ええ、私を助けてくれたのはレガレンスと呼ばれる盗賊団です。あの時、私は他のレガレンスが拾ったハールオズ人のハーフたちと共に、奴隷戦士として扱われました)


(奴隷戦士って、酷い扱いされたか?)


 あそこからぱたぱたと飛んでくる蝶々型の機元ピュラト使い獣が寄ってきて、トオルとリーゼロッティの頭上をゆっくり3周飛び回った後、高い木に咲いている花に止まり、頭上からリーゼロティの姿を見守っている。


(ええ、レガレンスに拾われた命だから、レガレンスのために生きるよう教えられました……それは血まみれで臭い思い出でした)


トオルはリーゼロティの意識に触れ、かつて盗賊団で生きた記憶の断片を感じ取った。


 盗賊団員より粗末な食べ物を用意され、腹が満腹の日は一度もなかった。


 奴隷戦士の育つために、スパルダ的な戦闘教育の無理矢理を受けさせ、体が汗がまみれ、血を吐き出し、傷だらけでも訓練を続ける日々。


 少しい戦力を持ち、奴隷戦士の上位兵長になると、資源を狩る際の戦いに加わるだけでなく、休む時には首領や幹部の性的道具として奉仕することもあった。


(そんな地獄に過ごすような日々は辛かったよね?)


(まあ、今にして思えば、昨晩に見た悪夢のようなものですけど……そして、盗賊団の一員として生きたのはおよそ3年間を過ごして、ある日、レガレンスの飛空船に乗って、資源を採るために航行中、フェイトアンファルス連邦防衛軍の戦艦に遭遇し、私たち奴隷は解放されました)


 トオルが意識で見た思い出の断片はレガレンスの飛空船が雲の中に飛んで行った。エネルギー砲多数の砲撃を汲々に避けながら逃走するレガレンス飛空船。上と下に挟んで追っているのは大きさが倍に小さい武装戦艦だ、船体に連邦防衛軍のエンブレムが塗れてあった。


 小さくでも俊敏に動ける防衛軍の戦艦は集中火力でレガレンスの船を撃ち落とせた。強行乗船してきた軍人兵士が速やかに盗賊団の方々を拘束した。


(それからは、リーゼロティさんはどうした?)


 リーゼロティの意識を取り込み続ける。投降した盗賊団の連中はそのまま野外に追い出され、リーゼロティたち捕虜となった奴隷はハールオズ人の国か、またはセントフェラストの入国保護を受けるか、一人一人の意思を取り調べられた。


(私は身体検査を受けてミラーティス人のハーフだと知らされ、すぐに入国保護を受けました。タヌーモンズ人の社会で生きるためにはEPポイントを稼ぐ必要があると知っていたので、旅をしながらスキルを学ぶつもりでしたが、どの国でも正式に採用されず、長く滞在することもできず、フェイトアンファルス連邦の国々を転々と周っていました)


(どうしてそうなるの?)


(ミラーティス人のハーフと診断されても、私の外見はハールオズ人に見られています。泊まれた場所で体験修行を受けて、正式に採用の選抜が行われる時、同じ技量レベルを持っている場合、ほぼタヌーモンス人が優先されました……長く滞在しても正式採用されず、お主に嫌われる前に先に離れる方が気楽だったので、国々を旅しながら過ごしていまして、長くても1ヶ月、短い時は2、3日で、なかなか落ち着いて住むことができませんでした……)


 トオルは幼い頃から叔父家を辛いな日々を過ごしででも、せめて自分に独りきりゆっくり休める部屋を与えられた、旅に転々周りきて、落ち着いて休めできるさえ見つけなかった。トオルは彼女の不遇したことに共感する。


(それは悲しいことよな?……)


(旅を転々とすることは覚悟していましたが、それ以上に辛かったのは、実際に私が採用されなかった理由に気づいた時、心が酷く痛んだことでした)


(なんでいう理由の?)


(それは私が念話や神通心のスキルを身につけているからです……人の心の声を聞き取れる私は、人の悩みや意識に触れて、余計な口を出してしまうからです……自己の思念領域をあまり他人に踏み込まれたくない人は、神通心のスキルを嫌い、特にミラーティス人に聞き取られることを生理的に拒否する人が居るらしいです)


――なるほど、それはリーゼロティさんがあまり人の前に陽気に言葉を言えない訳か……


 リーゼロティの冒険譚を聞いたトオルは、自分の学生時代を振り返った。成績が悪かったわけではないが、集団を引っ張る生徒たちに気に合わなく、暴力を振るわれたり集団から疎外されたりした思い出は、今でも鮮明に覚えている。


(アトランス界にもそんな人間がいるのか……悩んでいる人に優しく意見を申すリーゼロティさんの悪いではないだよな?)


(いえ、よく反省してみたら、本人でもないのに、実際に経験していないそれぞれの人の悩みを偉そうに口を出したのは嫌われるでしょうね。スキンシップの度合いを意識していなかった私の悪いところでした……)

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