表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/166

町の式神 2

 塚から離れた路地で、二匹はあれがなんだったのか分からないが、危険なものだと判断する。息を切らしながら電信柱の物陰に隠れた。

 日が沈み、人ならざる者が活発化する。これ以上、あの場にいては危険だ。

 周囲を伺いながら、「あれが犯人なのか?」と巫女式神は言った。


「いいや、あれは」

 犯人がいるわけがない、だって──犯人は主なのだと言いかけるこちらを、巫女式神は遮る。


「まあ、今日はこれくらいにしとこう…あーなんだか出鼻くじかれちゃったなぁ、こえーかった!」

「そ、そうすね。あんなの、久びさでした」

 脱力感を味わいながらも半笑いで答えるしかない。喰われてしまうかと思うほどに鬼気迫る気配がしていた。

 あれは、何だったのだろう?


「じゃ、また明日!」

「は、はぁ…人ならざる者が明日なんて」

「アンタ、人ならざる者だろうが人だろうが決め文句はこれだろ!」

 ニカッと眩い笑顔で彼女は言う。それが人間臭くて、たまらなく不安になった。

「え?え、ええ…」

「気をつけて帰りなよ」

 二人は別れを言いそれぞれの持ち場に帰り、何事もなく終わる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ